「ねこ会議」と「長崎県地域猫活動連絡協議会」(2)

「ねこ会議」は、ながさきで地域ねこ活動を広めるために、毎月第2土曜日に開かれている集まりです。2008年5月から、R&G長崎の地域猫について考え行動する会さんによって開催されてきました。活動実態は、ねこ会議ブログの方が雰囲気がよくわかるかもしれません。

ながさきの地域ねこ活動がまだいくらもないうちは、新規に地域ねこ活動を始めようとされる方向けの相談受け皿として機能してきましたが、活動が軌道に乗った地域が出始めると、新規の方への窓口のほかに、始めた地域へのさまざまなサポートが必要になってきました。このあたりのことは以前「ねこ会議」と「長崎県地域猫活動連絡協議会」(1)として記事にしたところです。その記事の締めくくりは、「具体的に、どのような役割分担で今後地域猫活動にのぞむのかについては、その2に続きます」としました。この記事が(たぶん)それにあたります。


2/12に開かれたねこ会議は、実際にどういうふうに議事をさばいていけば、参加したどの地域の方々もそれぞれ利益が得られるだろうか、という視点から、さるねこ父が議事進行を務めてみました(単に、いつも進行役をするR&Gの浦川さんが、ちらしの手配で遅れたからという話もありますが)。議事報告は、連絡協議会のこちらのページに掲載しましたが、だいたいこんな感じの順番で進めています。

  1. 新規で参加された方の相談内容を、みんなでじっくり聞いて、それぞれができるアドバイス(ねこ会議運営スタッフ、先行して活動を始めている地域、あるいは個々のボランティアの立場で)を提供していく
  2. TNRを行なっている最中、あるいはまもなく行なおうとしている地域の、不妊化手術およびその助成金獲得の進捗状況の報告と、当面困っている課題についての相談を受け、やはりそれぞれができるアドバイスを提供していく
  3. TNRが完了している・一段落している地域で、新たに出てきた課題についての相談を受け、問題点を整理し、必要な対応策を考える
  4. その他、地域ねこ活動全般に関して、フリーの議論を行なう
  5. 最後に、諸連絡事項を確認して解散

こういう順番にしたのは、もちろん意図があるわけですが、やはり会議の一番最初は、新規に参加された、右も左もわからない相談者の方へのフォローから始めるべきだろう、とさるねこ父は思っています。「地域ねこってなに? 自分にもできるのか? 自分の困っている問題へのアドバイスはちゃんともらえるのか?」と、一番心配されているのはご新規さん。それに対して、ほとんど全てのほかの参加者は、なにかしらのアドバイスはできるはずです。一度は自分が通ってきた道だったり、何度も耳にしている問題だったりするから。

そうした会話の流れの中で、だんだん、ご新規さんをだれがどういうふうにサポートできるかが見えてくるだろう、と考えています。

それがある程度落ち着いたところで、2の活動の入口をくぐった地域からの報告と相談を受ける。そうすることで、1のご新規さんは、自分が進んでいった次のステップがどんなものか見えてくるはずです。

さらに、TNRが終わり、活動が軌道に乗った地域で、新たに出てくる問題について検討するのが3になります。このレベルについては、少なくともながさきにおける地域ねこ活動に関して言えば、未知数の部分が大半になります。答えは手探りで探すことになるでしょう。そして「協議会」が対応する部分は、主にここということになると思います(場合によっては、2の段階でトラブルが生じている可能性もあるので、そちらへの対応も「協議会」として行なうことになるケースもあるでしょう)。

3の議論は、1のご新規さんにとっては縁遠く感じられるかもしれません。できればポイントごとに話を整理したり、途中脇で説明を加えたりするようなサポートをすべきだろうと思います。それでも「耳学問」として、一度聞いたそうした議論は、たぶんいつか役に立つのじゃないでしょうか。

で、4・5は、おまけみたいなものですね。

とりあえず、2/12はそういう感じでやってみて、さるねこ父的には当初めざした流れの7~8割は実現できたと思っています。参加者の方々が満足して帰っていかれたのであれば、よかったなと思います。


今回3にあたる「助成基準の明確化」「地域ねこ活動のガイドラインの確立」については、事前に長崎南部B地区の方々と連絡を取って情報を整理し、また協議会の運営委員会内でも議論をして準備をしておきました。そのような「事前の準備」を行なうことは、「協議会」の重要な役割だろうし、会議が終わったあとに「事後の問題整理・問題解決」を行なうのもまたそうだろうと考えています(とりあえず、さるねこ父には、2つばかり宿題ができました)。

そうした地道な事前・事後の部分は「ねこ会議」当日の場からはできるだけ切り離して、ねこ会議では、顔を合わせた議論を通じて「落としどころ」をみんなで探る、というふうにしないと、1・2の段階の参加者は完全に置いてけぼりになりますし、一方で、2時間半の枠だけでは3の答えは到底出ない。しわ寄せは、1・2の参加者の相談時間に行きますから、結局全員が不満を抱えたまま帰らなければならないことになる。そうならないようにするのが「協議会」の役割でもある、と思います。

「ねこ会議」そのものは、その発足当初そうだったように、「地域ねこ活動をしたいひとの受け皿」として今後も機能し続けるだろうと思います。始まった当時のねこ会議は、上で挙げた1のレベルのひとびとばかりで、どんな問題にぶつかっても「手探り・未知数」だったのだろうと推測します。会議の時間内に答えが出るとは限らないし、そうなると不満を抱えたまま帰る参加者の方もいらっしゃったでしょう。

それでもなんとか続けてきて、今は1~2~3の段階の人々が集まって協力し合えるような「ねこ会議」になりつつあるし、しなければならない、と思っています。「人々が集まる受け皿としての役割」が「ねこ会議」の役割なのではないか、というのがさるねこ父の考えです。

「協議会」は、そうするとある意味では「裏方役」とか「舞台裏」みたいな感じかもしれません。


こんな体制で今後も進めていけるか、は、協議会運営委員会の腕ひとつにかかっている、とも、言えるかも。

K-r02298
ふ:父ちゃん、やっぱり話が長いでしゅね……

K-r02297
ふ:あっ、終わったでしゅか!?

K-r02295
ふ:ふみ、ちゃんと聞いてました。
父:……ほんとかなあ?

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