ながさき町ねこクラブ

昨年9月に長崎ペンギン水族館で開催された動物愛護フェスタでは、午後の講演会の講師として北九州市立自然史・歴史博物館学芸員の山根明弘さんという方をお招きしていました。この方は、福岡県新宮町にある相島という人口400人ほどの島で7年間・200匹のノラネコの生態学的調査をされた方で、そのときの調査手法を紹介する『わたしのノラネコ研究』という本を出されています。

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山根明弘『わたしのノラネコ研究』さえら書房(2007年・ISBN978-4-378-03899-5・1,300円+税)

このときの講演に触発され、自分も相島のノラネコ調査のように「ながさきの『まちねこ調査』をやってみたい」と思われた N さんが、昨年末に「ながさき町ねこクラブ」を立ち上げられ、一緒に「まちねこ調査」をする仲間を募られています。

 

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ながさき町ねこクラブマスコットキャラクター

このかわいらしいマスコットキャラクターをデザインされたのは、耕文舎デザイナーの加嶋夏子さんです。


「まちねこ調査」は、一定の範囲(ひとつの町内とか、大きな公園とか)を決めて、定期的にそこを歩きながら、見かけたねこ一匹一匹について「個体識別カード」を作成し、そのねこの行動範囲や生活様式、また、その地域にどんなねこがどのくらいいるのか、などについて明らかにしようというものです。

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N さんは、こうして身近な地域のまちねこたちの識別調査を行なうことで、ひとびとが自分のまちに暮らしているねこたちについてもっと関心を持つようになるのではないか、と考えています。それまでは視界に入っても気にも留めなかったねこたちを「自分のまちに一緒に暮らす『まちねこ』」というふうに意識するようになるのではないか。そして、そのことが、ながさきのねこについて考えるひとが増えることにつながるのではないか、と考えています。

長崎市における2009年度の一年間の猫の殺処分数は2,670匹に上ります。人口比に直すと全国ワーストクラスの常連であるこの現実を変えていくためには、長崎で「ねこについて考えるひと」を増やしていくことが必要。だからといって、いきなり愛護活動・保護活動は、一般のひとにはちょっと敷居が高い。だったら、まちを散歩する感覚で、カードと色鉛筆、あるいはカメラを持って、身近なまちねこを観察記録することから始めてみてはどうだろう? そう N さんは考えています。

 

同じ仲間を募るために、N さんは『町ねこ通信』というメールマガジンを創刊されました。創刊号は3/5に発行されています。目次だけご紹介しますと。

  1. ごあいさつ……「なぜ、ねこなのか」
  2. お知らせ……「ねこ会議って、知ってますか?」
  3. ねこ、あれこれ……「平安時代、ねこはセレブのペットだった?」ほか
  4. おわりに & おまけ

1~2ヶ月に1回の発行を予定されているそうです。もし「わたしも読んでみたい」と思われた方は、さるねこ父までお知らせ下さい(メルマガですので、メールアドレスをお知らせいただくことになりますが)。


そして、この「まちねこ調査」を一緒にやるための「長崎伝習所『塾』企画」への申請が先日認められたということで、「平成23年度長崎伝習所『塾』:長崎の町ねこ調査隊塾」として活動ができることになりました(3月9日現在は伝習所のホームページはまだ平成22年度の内容になっていますが、近いうちに更新されると思います)。

長崎伝習所の紹介

長崎には、「このまちをもっとよくしたい!」「大好きな長崎のために何かやりたい!」という熱い思いや、「こんなことをやったらいい!」というユニークな発想を持つ市民の方が大勢います。そのような市民の皆さんのエネルギーと自由な発想こそが、魅力的な長崎を創りあげる原動力となります。
長崎伝習所は、そのような熱意とアイディアを持つ人々や、それに共鳴する人々が集まり、協力して活動できる場となります。テーマごとに市民の皆さんが「塾」を設置し、塾生を募集して、塾長を中心に市民と行政が協働で「塾」事業を展開していきます。

長崎伝習所の目的
長崎伝習所は、市民と行政が有機的に連携することにより、人材の育成・ネットワークづくりと政策を生み出す活動を行い、地域の活性化と発展に寄与することを目的としています。
名称の由来は、幕末期に長崎に設置された「海軍伝習所」や「医学伝習所」などからきているもので、その輝かしい歴史に学ぼうという意味が込められています。

「塾」とはこんな場所
「塾」といっても、誰かに教えてもらうところではありません。市民の皆さんから長崎のまちづくりにつながる企画や塾長を公募し、運営委員による審査会を経て、「塾」を設置。その趣旨に共感、共鳴する市民の皆さんが集まり、調査研究やイベント、実践活動など様々な活動を展開しながら、魅力的なまちづくりを進めていこうというものです。

「長崎伝習所の紹介」より

さるねこ父も「長崎の町ねこ調査隊塾」のサポートに入る予定です。この塾企画に関心をお持ちの方は、長崎伝習所事務局(長崎市馬町21-1 長崎市市民活動センター「ランタナ」内/095-829-1125/ )までお問い合わせ下さい。

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長崎市内のまちねこ

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