長崎市の保健行政(PDF版)

この記事の続きがなかなか時間がなくて書けないのですが、ひとまず資料として『長崎市の保健行政』各年度版(平成14~16年度版は長崎市保健部・編、それ以外は長崎市福祉保健部・編、年度表記を1年ずらした関係で平成18年度版はなし)を先にPDF化してまとめておきます。

年末年始にゆっくり記事にしたいと思います。

譲渡会報告(12/23湊公園・長崎猫の会.ほか-その2)

その1からの続きです。

 

bangさん保護ねこのウルちゃん(クロサビ・♀・18ヶ月)は、リードをつけてもらって、お外で抱っこ。

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瞳の金色がとてもきれい。

ウルちゃんへのお問い合わせは、bangさんのブログから。

 

ぽんでらいよんさん保護ねこのうーちゃん(サビ・♀・19ヶ月=誕生日は2011/05/22)はピンクのねこふとんにくるまっていました。

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うまいことポケットにくるまれておりますが……

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でも本当はこうなるはずらしい(ぽんでらいよんさんのブログから写真をお借りしました)。

ねこふとんをオリジナルに着こなすうーちゃんへのお問い合わせは、ぽんでらいよんさんのブログから。

 

カエデさん預かりのありさちゃん(長毛ミケ・♀・6ヶ月)は、FIV・FelV陰性、3種混合ワクチン1回接種済みです。

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初めての譲渡会参加で固まってました。

ありさちゃんへのお問い合わせはこちらのフォームから長崎猫の会.さんへ。

 

とらきちさん預かりのはづきちゃん(ミケ・♀・推定8歳)としゅうぎょくくん(チャトラ・♂・15ヶ月=誕生日は2011年9月12日)。はづきちゃんはお問い合わせをいただきました。

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はづきちゃんは、あんまりいい写真じゃなくてごめんね。

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なんだかどや顔に見えるしゅうぎょくくん。

しゅうぎょくくんへのお問い合わせはこちらのフォームから長崎猫の会.さんへ。

 

最後は、ぐりさん保護ねこのドレミちゃん(シロクロ・♀・9ヶ月)とチェカくん(キジシロ・♂・21ヶ月)。

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ほっそり美人のドレミちゃん

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チェカくんはもう成ねこさんなので、ややストライキ気味。

ドレミちゃん・チェカくんへのお問い合わせは、ぐりさんのブログから。


というわけで、お声がけがあったのははづきちゃんと、さるねこ父が到着する前に決まっていたTさんのところのケンタくん(キジシロ・♂・2ヶ月=マコちゃん(サビミケ)の兄弟)の2匹でした。年越しになりますが、来年みんながんばろうね。

譲渡会報告(12/23湊公園・長崎猫の会.ほか-その1)

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気温は5度を下回り、ときどき粉雪のちらつく真冬の譲渡会になりました。

 

M町の地域ねこ現場出身の海くん(シロクロ・♂・6ヶ月)と波ちゃん(三毛・♀・6ヶ月)。3種混合ワクチン2回接種済みです。

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波ちゃんの涙目はすっかりよくなりました(11/25譲渡会では瞬膜が出ていました)。

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おでこにほこりをかぶってますが(トイレの紙砂かな?)、そのほかはキリッとした表情の海くん。

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海くんを肘枕にくつろぐ波ちゃん。2人とも見学者さんが来ないかと外を見ています。

海くん・波ちゃんは、そろそろ発情がはじまりそうな感じです。年明けには順番に不妊化手術かなあ。海くん・波ちゃんへのお問い合わせは、こちらのフォームから。

 

Tさん保護のマコちゃん(サビキジ・♀・2ヶ月)と、ミミちゃん(ミケサビ・♀・7ヶ月)・ユリちゃん(グレーサビ・♀・7ヶ月)。

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マコちゃんは、活発で好奇心の強い陽性タイプのサビキジ。

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やや長毛で、おなかの毛などモフモフです。

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ミミちゃんは、今日は目線なし。

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ユリちゃんは、今日もよく寝てた。

マコちゃん・ミミちゃん・ユリちゃんへのお問い合わせは、こちらのフォームからご連絡いただければ、Tさんに取り次ぎます。

 

まおりんさん保護のライムくん(キジ・♂・8ヶ月)とかりんちゃん(シロクロ・♀・9ヶ月)。ともにFIV・FelV陰性、3種混合ワクチン2回接種済み、去勢・避妊手術済みです。

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ライムくんは、すっかり大人の仲間入り。

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かりんちゃんはイカ耳で無言のアピール。

ライムくん・かりんちゃんへのお問い合わせは、まおりんさんのブログまで。

 

Iさん保護のきぼうくん(3ヶ月・♂・シロクロ)とみらいちゃん(3ヶ月・♀・ミケ)。先月の譲渡会よりちょっと大きくなりました。ともに3種混合ワクチン2回接種済み。

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きぼうくんは、弟属性で、みらいちゃんにいつもくっついているそうです。

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みらいちゃん、一生懸命おすまし。

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でも、こっちの方が性格でてる。

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きぼうくんも、こっちのほうが「らしい」ね。

きぼうくん・みらいちゃんへのお問い合わせは、こちらのフォームよりご連絡いただければ、Iさんに取り次ぎます。

 

その2に続きます

パブコメ結果がまとまったようです

今日開催された中央環境審議会動物愛護部会(第35回)で、先日12日に締め切られた動物愛護法施行規則等に関するパブリック・コメントの結果が報告されたようです。議事要旨や議事録が出るのは、政権交代や年末年始を挟むので、もしかするとけっこう先かもしれませんが、傍聴された方のツイートをいくつかまとめておきます。

長崎市動物管理関連統計(1990~2011年)-その2A

前回の記事で「その2では、収容・引取り・処分・譲渡についてまとめてみます」と書いたのですが、いざまとめようとしてみると、うまくまとまらないことに気づきました。統計の取り方や区分がころころ変わるのですが、それを含めて、ちょっと細かく見ていこうと思います。

まず、一番古い1990~94年のデータが載っている平成6年度版の「傷病犬猫の収容及び引き取り」です。(もともとは1a/1b/2a/2b/4a/4b/5a/5b/6のみが掲出されており、またその番号は元資料にはついていません。7a/7bは別掲数値を再掲、3a/3b/7c/8a/8b/8cはさるねこ父で独自に計算しています。)

5. 犬猫の収容及び引き取り
項目 1990 1991 1992 1993 1994
1a.不用犬猫箱による引取数(犬) 1,277 1,064 124 113 119
1b.不用犬猫箱による引取数(猫) 6,186 5,693 523 430 396
2a.センター引取数(犬) 107 174 858 776 789
2b.センター引取数(猫) 29 384 5,010 4,427 4,071
3a.箱回収+センター引取数(犬) 1,384 1,238 982 889 908
3b.箱回収+センター引取数(猫) 6,215 6,077 5,533 4,857 4,467
4a.一般譲渡数(犬) 152 141 76 96 144
4b.一般譲渡数(猫) 42 46 17 34 31
5a.学術研究用譲渡数(犬) 139 133 118 66 41
5b.学術研究用譲渡数(猫) 84 - 31 30 -
6.安楽処分数 7,669 7,466 6,738 5,999 5,616
7a.捕獲犬数 560 513 540 538 514
7b.返還犬数 73 42 75 59 57
7c.推定捕獲犬処分数(7a-7b) 487 471 465 479 457
8a.推定殺処分数(犬/捕獲犬含む)
 (3a-4a-5a+7c)
1,580 1,435 1,253 1,206 1,180
8b.推定殺処分数(猫)
 (3b-4b-5b)
6,089 6,031 5,485 4,793 4,436

※不用犬・猫の引き取りは当センター(平日受付)及び市内12支所に設置した不用犬猫箱(月1回回収)で行う。
※安楽処分数には捕獲犬のうち返還されなかったものを含む。

 

「不用犬猫箱」「学術研究用譲渡数」という表現には軽くめまいを覚えますが、1994年、つまり18年前の長崎市では、ごくあたりまえのように、なんのためらいもなく、これらが社会に存在を許されていたということになります。

1991年度までは、動物管理センターでの引取数はごくわずかで、ほとんどが月1回の「不用犬猫箱」によるものだったということは、「要らなくなったいぬ・ねこは粗大ごみ同様」の感覚だったということです。たった20年前の話です。1992年度に切り替えがあって、不用犬猫箱回収による引き取りは1割台に減り、センター窓口での引き取りが主となったことが、この資料からわかります。

また、学術研究用譲渡とは、動物実験への使用とほぼ同義と考えられますが、一般譲渡と学術研究用譲渡の頭数比率は、年度に依りますが、この時期でならしてみるとほぼ半々だった、というのもショッキングなことです。その後のデータをみると、学術研究用の猫の譲渡はこの表内の1993年度が最後、学術研究用の犬の譲渡はその後も続いて2002年度が最後です。

 

次回その2Bでは、ここから少し時系列的に降っていってみたいと思います。

長崎市動物管理関連統計(1990~2011年)-その1

『長崎市の保健行政』平成24年度版に基づいた2007~2011年の動物管理関連統計データは以前ご紹介しましたが、県立図書館で平成6・10・14・19年度版が入手できたので、1990年から2011年まで、22年間の変化を追ってみたいと思います(平成14~16年度は長崎市保健部・編、それ以外は長崎市福祉保健部・編、年度表記を1年ずらした関係で平成18年度版はなし)。


1. 犬の登録及び狂犬病予防注射実施状況

●犬の登録及び狂犬病予防注射実施状況
年度 登録件数 集合注射
[獣医師会]
臨時注射
[獣医師]
注射済票
交付数
1990 8,788 7,313 1,403 8,716
1991 9,208 7,591 1,542 9,133
1992 9,736 8,049 1,603 9,652
1993 9,923 8,164 1,680 9,844
1994 10,307 8,052 2,147 10,199
1995 10,904 8,331 2,458 10,788
1996 12,077 8,107 3,096 11,203
1997 12,765 8,028 3,558 11,535
1998 13,480 8,097 3,841 11,938
1999 14,191 7,970 4,216 12,186
2000 14,749 7,715 4,491 12,206
年度 登録件数 集合注射
[獣医師会]
臨時注射
[獣医師]
注射済票
交付数
2001 15,407 7,563 5,038 12,601
2002 15,974 7,274 5,592 12,866
2003 16,432 7,144 5,701 12,845
2004 18,785 8,191 6,220 14,411
2005 19,750 8,417 6,974 15,391
2006 19,940 7,987 7,451 15,438
2007 20,146 8,036 7,952 15,988
2008 20,585 8,046 8,081 16,127
2009 20,806 7,408 8,354 15,762
2010 21,224 6,909 8,147 15,056
2011 19,834 6,086 8,943 15,029
年度 登録件数 集合注射
[獣医師会]
臨時注射
[獣医師]
注射済票
交付数

登録件数は、1990年から2011年の21年で2.25倍になりました。2010年度まで順調に増えていたのが、2011年度には初めて減っていますが、これはもしかすると「登録上抹消されていないけれど、実は以前に亡くなっていた」というケースを整理したということも考えられます。注射率は、1990年の99.2%から、2011年は75.8%へと徐々に減っていきますが、これも「分母」である登録件数が実際より上増しされていることが、ある程度関係しているように思います。

おもしろいのは、1990年代前半は大半が集合注射(決められた日に決められた場所=公園などで受ける)だったのが、2000年代後半になると数字が逆転して臨時注射(獣医師さんのところで個別に打ってもらう)へと移行している点です。こういう流れが、全国的なものなのか、さるねこ父は犬は詳しくないのでわかりませんが、ちょっと調べてみようかなと思ったりします。

2. 犬の捕獲状況

●犬の捕獲状況
年度 捕獲数 返還数(総数) 譲渡数 処分数
1990 560 73 - -
1991 513 42 - -
1992 540 75 - -
1993 538 59 - -
1994 514 57 - -
1995 502 62 - -
1996 524 54 - -
1997 468 60 - -
1998 379 58 - 321
1999 362 66 - 296
2000 336 74 - 262
年度 捕獲数 返還数(総数) 譲渡数 処分数
2001 358 84 - 274
2002 331 82 - 249
2003 245 68 - 177
2004 230 53 - 177
2005 250 85 - 165
2006 243 81 - 162
2007 226 64 - 162
2008 234 89 59 86
2009 173 80 62 31
2010 149 84 44 21
2011 141 80 41 20
年度 捕獲数 返還数(総数) 譲渡数 処分数

1990年代前半は年間500頭台をうろうろしていた犬の捕獲数は、1997年ごろから目立って減り始めます。2000年代半ばで、いったん250頭前後で足踏みし、その後2000年代後半からまた減少傾向にある感じですね。返還率も、1990年代前半は10%そこそこだったのが、世紀の変わり目頃に20%に達し、2000年代末からは半数を超えるようになります。

1998年度から処分数が掲載されていますが、基本的には単純に「捕獲数-返還数」をそのまま記しているだけです。2008年度から「(捕獲犬の)譲渡数」の記載が始まりますが、では2007年度より以前は捕獲犬について譲渡は行なわれていなかったのか、というと、はっきりしたことがわかりません。むしろ、2007年度以前は譲渡なしと考える方が不自然な気もします。1998~2007年度の「処分数」はある程度割り引いて考える必要があるかもしれません。

3. 犬による咬傷事故の届出数

●犬による咬傷事故の届出数
年度 咬傷事故件数 事故をおこした犬の数
1990 26 25
1991 48 43
1992 23 23
1993 13 13
1994 20 18
1995 12 12
1996 8 8
1997 10 10
1998 25 25
1999 20 19
2000 18 18
年度 咬傷事故件数 事故をおこした犬の数
2001 8 8
2002 20 20
2003 7 7
2004 12 12
2005 13 13
2006 11 11
2007 10 10
2008 13 13
2009 14 14
2010 9 8
2011 13 13
年度 咬傷事故件数 事故をおこした犬の数

これは、1991年度に飛び抜けて高い数値があるほかは、明確に「減っている」という傾向をみるのは難しいですね。犬の数が倍に増えていることを考えれば、割合としては半減していると言えるのかもしれません。

その2では、収容・引取り・処分・譲渡についてまとめてみます。

動愛法施行規則等改正パブコメ(コピペひな形)

こういうのが必要かどうかよくわかりませんが、環境省宛にメールを送るときに、手早くコピペを済ませたい方向けに、適宜改行を入れた「コピペひな形」を作ってみました。

「これは、自分としてはちょっと違うな~」とかいう項目は、適当に抜いたり修正して使っていただいてかまいません。


ここをクリックすると、普通はメールソフトが立ち上がり、宛先に aigo-05@env.go.jp が入った状態のウィンドウが開くと思います。

メールの件名は、

動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正等に伴う動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正案に関する意見

です。以下、本文です。住所や氏名などは、ご自身でご記入下さい。


環境省自然環境局総務課 動物愛護管理室 ご担当者さま


下記の通り、パブリック・コメントを提出いたします。

-------------------------------------------------------------------------------
件名:動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正等に伴う動物の愛護及び管理に関する
   法律施行規則等の一部改正案に関する意見

住所:〒

氏名:

年齢及び性別:

電話番号:

意見:

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(1)犬猫等販売業の範囲
【意見内容】犬・猫に加えて、ウサギ(イエウサギ)も対象動物に含めるよう規定する。
【理由】ウサギ(イエウサギ)に関しては、その飼養困難となった個体について、行政へ
 の持ち込み事例やボランティア団体による里親譲渡会などが散見され、終生飼養の観点
 からみて、既に犬・猫に準じる動物と見なしうると考えられる。改正法第10条第3項に
 おける「犬猫等販売業」規定の趣旨のひとつは、犬猫等健康安全計画に基づく販売困難
 個体の終生飼養であることを勘案すれば、「犬猫等」にはウサギも含めることが妥当で
 ある。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(2)犬猫等健康安全計画の記載事項
【意見内容】繁殖制限等に関する基準を速やかに策定し、その内容を犬猫等健康安全計画
 の記載事項として施行規則中に明記する。
【理由】繁殖母体およびそれから生まれる幼齢個体の十分な健康および安全の保持を実現
 するためには、繁殖の適正回数(生涯の繁殖回数)・頻度(年間の繁殖回数)を定める
 ことは必須である。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(4)帳簿記載事項
【意見内容】帳簿記載事項については、例示された11項目のいずれも欠かすことはできな
 いと考える。その上で、(1) 個体情報に「年月日を特定した個体写真またはマイクロチ
 ップ情報」を含めることとし、さらに(2)「生年月日」および「獣医師による治療歴」
 を新たに付け加え、(3) これらの追加事項に伴って作成される書類を「④帳簿記載事項
 の根拠となる書類」として例示する。
【理由】この「帳簿」の趣旨は、獣医師がカルテによって患畜の個体管理を行なうように、
 犬猫等販売業者がこれによって保有犬猫の個体管理を行なうことであると考えられる。
 実際の個体と帳簿上の個体を1対1で完全に対応させるためには、少なくとも個体情報の
 中に個体識別が可能な個体写真を含めるべきであるし、より望ましいのはマイクロチッ
 プを販売業者自身の責任で埋め込み、この情報を帳簿に含めることである。故意・過失
 による個体取り違えを未然に防ぐためには、販売業者が可能な限り早期にこれらの対応
 付けを行なうことが必要であり、個体写真・マイクロチップ情報の記載にあたっては、
 撮影または埋め込み年月日を特定することも合わせて必要である。
  また、帳簿の担うべき「カルテ」としての性格を踏まえれば、生年月日(輸入等でこ
 れが特定できない場合は輸入年月日および推定生年月日)と獣医師による治療歴を加え
 ることが必須である。特に飼養・保管中の死亡を念頭に置いた場合、それを防ぐために
 十分な治療が施されたかどうかを帳簿においても把握できるようにするべきである。
  さらに、これらの追加事項に伴って作成される書類(マイクロチップの埋め込み記録、
 獣医師受診記録)は、当然、④帳簿記載事項の根拠となる書類として例示するべきであ
 る。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(5)都道府県知事への定期報告
【意見内容】報告事項に関し、月毎の数字を報告すべき項目に、「2)当該年度中に新た
 に所有することになった犬猫の所有数」を加え、2)、3)、4)について月毎の数字
 を報告させるものとする。
【理由】報告事項1~4の関係は、1+2-3=4となるべきものであり、これらに齟齬
 がないかどうか(たとえば保管中の死亡を隠蔽していないか)をチェックするためには、
 2の月毎の数字が明らかになっていることが当然必要である。月毎の数字の報告から2
 を除くことには、なんら合理的理由を見いだせない。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(1)規制対象
【意見内容】規制対象となる動物の範囲を哺乳類・鳥類・爬虫類とすることに賛成である。
【理由】改正法第44条第2項では「愛護動物」が「その健康及び安全を保持することが困
 難な場所に拘束することにより衰弱させること」に対して罰則を定めているが、宅配業
 者等を利用するような通信販売は、配送事故その他を考慮すればこれに抵触することが
 考えられる。したがって、「愛護動物」の範疇と同様、哺乳類・鳥類・爬虫類について
 は、今回の販売規制の対象とするべきである。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(2)対面販売の例外
【意見内容および理由】販売に際して、十分な情報提供の機会を確保し、かつ不適正な業
 者の参入を排除するためにも、「対面販売の例外は設けない」とすることに賛成である。
 なお、但し書き部分については、法制度自体が社会通念の変化等を反映しつつ定期的に
 改正されていく現状を踏まえれば、敢えて記載する必要を認めない。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(3)対面説明にあたっての情報提供項目
【意見内容】情報提供項目カについて、「氏名又は名称及び登録番号または所在地」に加
 え、繁殖を行った者又は輸入先・譲受先の「電話番号」を知らせることとする。
【理由】項目カの改正の趣旨が「トレーサビリティの確保」であり、トレーサビリティ確
 保の目的が購入した犬猫に関する問い合わせを容易にすることであるとすれば、購入者
 にとってもっとも容易なアクセス手段である「電話」を考慮に入れないことは適正を欠
 くと考えられる。繁殖業者の登録番号から電話番号を知ることが可能であるとするので
 あれば、顧客サービスの観点から見て、生産者(繁殖業者)と消費者(犬猫等購入者)
 を取り持つ販売業者が、あらかじめ調べて購入者に伝えるのが当然である。
  「電話番号」を明示しない・できないことは、とりもなおさず販売業者と購入者の間
 の信頼関係を業者側から一方的に打ち切ろうとするものであり、形式的に登録番号や所
 在地を示していれば足りるとする考えは、まったく今回の改正の趣旨に沿わないと考え
 る。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(4)販売業者間の取引における情報提供項目
【意見内容および理由】「トレーサビリティの確保」を十全のものとするためには、業者
 間取引においても「生産地表示」が行なわれなければならない。このため、項目カにつ
 いての説明義務を設けることについては賛成であり、さらには繁殖業者(もしくは輸入
 先・譲受先)の電話番号までを含めることを条件に加えるべきであると考える。

Ⅲ 第二種動物取扱業関係:(1)第二種動物取扱業の範囲
【意見内容】(1) ③飼養頭数の下限の「中型動物」の範疇に、ウサギ(イエウサギ)を含
 める。
 (2)大型動物・中型動物の大きさの目安に関する規定は、成熟個体が達する平均的な大き
 さを示していることを明示する。
 (3)それ以外の動物の下限を50頭から30頭に引き下げる。
【理由】(1) I-(1)と同様、ウサギ(イエウサギ)は基本的に犬・猫に準じる動物とし
 て扱うべきである。
 (2)幼齢個体のサイズを基準にするのではなく、成熟時の個体サイズで分類していること
 を明示しなければ、たとえば「子ねこを20匹保護しているシェルター」が抜け落ちる可
 能性がある。
 (3)その他の動物(≒小型動物)であっても、50頭近くになると、適正に管理するために
 は相当の技術や知識、設備が必要となると考えられる。多頭崩壊を防ぐことが今回の第
 二種動物取扱業の新設目的の一つであることを考慮すれば、下限値は十分に引き下げて
 おくことが望ましいと考えられる。

V 虐待を受けるおそれのある事態について
【意見内容】但し書きとして、動物虐待罪の要件を満たす場合にあっては、すみやかに警
 察との連携を図る旨を明記する。
【理由】改正法第25条第3項は、改正法第44条第2項の「虐待」に至る手前の段階で、それ
 を避けるために行政による命令・勧告を可能とするためのものであるが、強制的な立入
 調査権を持たない行政機関によるこれらの指導には限界があり、場合によっては改正法
 第44条第2項の要件を満たすような段階にまで至ることも十分想定される。こうした事
 態に対応するために、行政機関がすみやかに警察との連携を取り、事態の一層の拡大を
 防ぐことが必要であると考える。

VI 犬猫の引取りを拒否できる場合について
【意見内容】(1)「上記場合であっても生活環境の保全上の支障を防止するため引取りが
 必要と判断される場合にあってはその限りではない」という一文を「上記場合であって
 も生活環境の保全上の支障を防止するために引取り以外に有効な手段がないと判断され
 る場合にあってはその限りではない」と改める。
 (2) 「④ 引取りを求めるに当たって、あらかじめ新たな飼い主を探す取組をしていな
 い場合」を「④ 引取りを求めるに当たって、新たな飼い主を探す取組を十分にしてい
 ない場合」と改める。
 (3) 「⑤ その他法第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がな
 いと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合」を「⑤ その他法
 第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合
 として、都道府県等の条例、規則等に定める場合又は法第39条に定める協議会による協
 議を経て規定される場合」と改める。
【理由】(1) そもそも「生活環境の保全上の支障」を生じさせないことは、改正後の第7
 条第1項において所有者責務の一つに掲げられており、そのためには、行政による引取
 り以前に、飼い主があらゆる手段を尽くすべきである。「引取れば解決するから、引取
 る」ではなく「引取る以外に解決方法がないから、引取る」という原則で臨まなければ、
 「行政による安易な引取りによる殺処分」という問題を放置することになると考えられる。
 (2) 「新たな飼い主を探す取組」については、引取りを行なう行政機関からの一定の助
 言を得た上で継続して取り組むことが望ましいと考えられる。したがって「あらかじめ」
 という部分は削除し、代わりに、飼い主がその置かれた環境において最大限の努力を払
 ったかどうかを要件とするための「十分に」という表現を追加すべきである。
 (3) 現実問題として見た場合、個別の案件毎に引取りの可否を判断しなければならなく
 なる行政の現場には相当の負担がかかること、また、各方面からのさまざまな批判に晒
 されることが十分に予想される。これに対して、行政を含めた、より広範囲の団体や愛
 護推進員等から組織される「協議会」を活用することで、現場の負担を減らすとともに、
 一行政機関の恣意的な判断という批判に応えることができると考えられる。したがって、
 協議会で協議された結果示されるガイドライン等をもって、引取りの可否の判断基準に
 加えることができるようにすべきである。

-------------------------------------------------------------------------------


以上、よろしくお願い申し上げます。

動愛法施行規則等の改正パブリックコメント提出

期限ぎりぎりになりましたが、こんな感じで提出することにしました。特に参考にさせてもらったのは、以下のサイトのパブコメ案です。ありがとうございます。

また、もしわたしの書いたものがなにかの参考になるのであれば、自由に利用していただいてかまいません。もう時間も限られてますけどね……(汗)。コピペひな形をこちらに上げてみました=12日03:09追記

パブコメの宛先等は、以下の通りです。

  • 宛先:環境省自然環境局総務課 動物愛護管理室あて
       (E-mail: aigo-05 [at] env.go.jp ---[at]は@に読み替え)
  • 件名:「動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正等に伴う動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正案に関する意見」
  • 記入に当たっては、まず「住所」「氏名」「年齢及び性別」「電話番号」を明記した上で、意見を述べる。

明日12日の18:15がメールでの送付期限です。


Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(1)犬猫等販売業の範囲

【意見内容】犬・猫に加えて、ウサギ(イエウサギ)も対象動物に含めるよう規定する。

【理由】ウサギ(イエウサギ)に関しては、その飼養困難となった個体について、行政への持ち込み事例やボランティア団体による里親譲渡会などが散見され、終生飼養の観点からみて、既に犬・猫に準じる動物と見なしうると考えられる。改正法第10条第3項における「犬猫等販売業」規定の趣旨のひとつは、犬猫等健康安全計画に基づく販売困難個体の終生飼養であることを勘案すれば、「犬猫等」にはウサギも含めることが妥当である。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(2)犬猫等健康安全計画の記載事項

【意見内容】繁殖制限等に関する基準を速やかに策定し、その内容を犬猫等健康安全計画の記載事項として施行規則中に明記する。

【理由】繁殖母体およびそれから生まれる幼齢個体の十分な健康および安全の保持を実現するためには、繁殖の適正回数(生涯の繁殖回数)・頻度(年間の繁殖回数)を定めることは必須である。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(4)帳簿記載事項

【意見内容】帳簿記載事項については、例示された11項目のいずれも欠かすことはできないと考える。その上で、(1) 個体情報に「年月日を特定した個体写真またはマイクロチップ情報」を含めることとし、さらに(2)「生年月日」および「獣医師による治療歴」を新たに付け加え、(3) これらの追加事項に伴って作成される書類を「④帳簿記載事項の根拠となる書類」として例示する。

【理由】この「帳簿」の趣旨は、獣医師がカルテによって患畜の個体管理を行なうように、犬猫等販売業者がこれによって保有犬猫の個体管理を行なうことであると考えられる。実際の個体と帳簿上の個体を1対1で完全に対応させるためには、少なくとも個体情報の中に個体識別が可能な個体写真を含めるべきであるし、より望ましいのはマイクロチップを販売業者自身の責任で埋め込み、この情報を帳簿に含めることである。故意・過失による個体取り違えを未然に防ぐためには、販売業者が可能な限り早期にこれらの対応付けを行なうことが必要であり、個体写真・マイクロチップ情報の記載にあたっては、撮影または埋め込み年月日を特定することも合わせて必要である。
 また、帳簿の担うべき「カルテ」としての性格を踏まえれば、生年月日(輸入等でこれが特定できない場合は輸入年月日および推定生年月日)と獣医師による治療歴を加えることが必須である。特に飼養・保管中の死亡を念頭に置いた場合、それを防ぐために十分な治療が施されたかどうかを帳簿においても把握できるようにするべきである。
 さらに、これらの追加事項に伴って作成される書類(マイクロチップの埋め込み記録、獣医師受診記録)は、当然、④帳簿記載事項の根拠となる書類として例示するべきである。

Ⅰ 犬猫等販売業者関係:(5)都道府県知事への定期報告

【意見内容】報告事項に関し、月毎の数字を報告すべき項目に、「2)当該年度中に新たに所有することになった犬猫の所有数」を加え、2)、3)、4)について月毎の数字を報告させるものとする。

【理由】報告事項1~4の関係は、1+2-3=4となるべきものであり、これらに齟齬がないかどうか(たとえば保管中の死亡を隠蔽していないか)をチェックするためには、2の月毎の数字が明らかになっていることが当然必要である。月毎の数字の報告から2を除くことには、なんら合理的理由を見いだせない。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(1)規制対象

【意見内容】規制対象となる動物の範囲を哺乳類・鳥類・爬虫類とすることに賛成である。

【理由】改正法第44条第2項では「愛護動物」が「その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること」に対して罰則を定めているが、宅配業者等を利用するような通信販売は、配送事故その他を考慮すればこれに抵触することが考えられる。したがって、「愛護動物」の範疇と同様、哺乳類・鳥類・爬虫類については、今回の販売規制の対象とするべきである。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(2)対面販売の例外

【意見内容および理由】販売に際して、十分な情報提供の機会を確保し、かつ不適正な業者の参入を排除するためにも、「対面販売の例外は設けない」とすることに賛成である。なお、但し書き部分については、法制度自体が社会通念の変化等を反映しつつ定期的に改正されていく現状を踏まえれば、敢えて記載する必要を認めない。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(3)対面説明にあたっての情報提供項目

【意見内容】情報提供項目カについて、「氏名又は名称及び登録番号または所在地」に加え、繁殖を行った者又は輸入先・譲受先の「電話番号」を知らせることとする。

【理由】項目カの改正の趣旨が「トレーサビリティの確保」であり、トレーサビリティ確保の目的が購入した犬猫に関する問い合わせを容易にすることであるとすれば、購入者にとってもっとも容易なアクセス手段である「電話」を考慮に入れないことは適正を欠くと考えられる。繁殖業者の登録番号から電話番号を知ることが可能であるとするのであれば、顧客サービスの観点から見て、生産者(繁殖業者)と消費者(犬猫等購入者)を取り持つ販売業者が、あらかじめ調べて購入者に伝えるのが当然である。
 「電話番号」を明示しない・できないことは、とりもなおさず販売業者と購入者の間の信頼関係を業者側から一方的に打ち切ろうとするものであり、形式的に登録番号や所在地を示していれば足りるとする考えは、まったく今回の改正の趣旨に沿わないと考える。

Ⅱ 販売に際しての情報提供の方法:(4)販売業者間の取引における情報提供項目

【意見内容および理由】「トレーサビリティの確保」を十全のものとするためには、業者間取引においても「生産地表示」が行なわれなければならない。このため、項目カについての説明義務を設けることについては賛成であり、さらには繁殖業者(もしくは輸入先・譲受先)の電話番号までを含めることを条件に加えるべきであると考える。

Ⅲ 第二種動物取扱業関係:(1)第二種動物取扱業の範囲

【意見内容】(1) ③飼養頭数の下限の「中型動物」の範疇に、ウサギ(イエウサギ)を含める。
(2)大型動物・中型動物の大きさの目安に関する規定は、成熟個体が達する平均的な大きさを示していることを明示する。
(3)それ以外の動物の下限を50頭から30頭に引き下げる。

【理由】(1) Ⅰ-(1)と同様、ウサギ(イエウサギ)は基本的に犬・猫に準じる動物として扱うべきである。
(2)幼齢個体のサイズを基準にするのではなく、成熟時の個体サイズで分類していることを明示しなければ、たとえば「子ねこを20匹保護しているシェルター」が抜け落ちる可能性がある。
(3)その他の動物(≒小型動物)であっても、50頭近くになると、適正に管理するためには相当の技術や知識、設備が必要となると考えられる。多頭崩壊を防ぐことが今回の第二種動物取扱業の新設目的の一つであることを考慮すれば、下限値は十分に引き下げておくことが望ましいと考えられる。

V 虐待を受けるおそれのある事態について

【意見内容】但し書きとして、動物虐待罪の要件を満たす場合にあっては、すみやかに警察との連携を図る旨を明記する。

【理由】改正法第25条第3項は、改正法第44条第2項の「虐待」に至る手前の段階で、それを避けるために行政による命令・勧告を可能とするためのものであるが、強制的な立入調査権を持たない行政機関によるこれらの指導には限界があり、場合によっては改正法第44条第2項の要件を満たすような段階にまで至ることも十分想定される。こうした事態に対応するために、行政機関がすみやかに警察との連携を取り、事態の一層の拡大を防ぐことが必要であると考える。

VI 犬猫の引取りを拒否できる場合について

【意見内容】(1)「上記場合であっても生活環境の保全上の支障を防止するため引取りが必要と判断される場合にあってはその限りではない」という一文を「上記場合であっても生活環境の保全上の支障を防止するために引取り以外に有効な手段がないと判断される場合にあってはその限りではない」と改める。
(2) 「④ 引取りを求めるに当たって、あらかじめ新たな飼い主を探す取組をしていない場合」を「④ 引取りを求めるに当たって、新たな飼い主を探す取組を十分にしていない場合」と改める。
(3) 「⑤ その他法第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合」を「⑤ その他法第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として、都道府県等の条例、規則等に定める場合又は法第39条に定める協議会による協議を経て規定される場合」と改める。

【理由】(1) そもそも「生活環境の保全上の支障」を生じさせないことは、改正後の第7条第1項において所有者責務の一つに掲げられており、そのためには、行政による引取り以前に、飼い主があらゆる手段を尽くすべきである。「引取れば解決するから、引取る」ではなく「引取る以外に解決方法がないから、引取る」という原則で臨まなければ、「行政による安易な引取りによる殺処分」という問題を放置することになると考えられる。
(2) 「新たな飼い主を探す取組」については、引取りを行なう行政機関からの一定の助言を得た上で継続して取り組むことが望ましいと考えられる。したがって「あらかじめ」という部分は削除し、代わりに、飼い主がその置かれた環境において最大限の努力を払ったかどうかを要件とするための「十分に」という表現を追加すべきである。
(3) 現実問題として見た場合、個別の案件毎に引取りの可否を判断しなければならなくなる行政の現場には相当の負担がかかること、また、各方面からのさまざまな批判に晒されることが十分に予想される。これに対して、行政を含めた、より広範囲の団体や愛護推進員等から組織される「協議会」を活用することで、現場の負担を減らすとともに、一行政機関の恣意的な判断という批判に応えることができると考えられる。したがって、協議会で協議された結果示されるガイドライン等をもって、引取りの可否の判断基準に加えることができるようにすべきである。

パブコメ提出は12月12日(水)18:15締切です

「動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正等に伴う動物の愛護及び管理に関する法律施行規則等の一部改正案」パブリック・コメントは、来週水曜日=12月12日の18:15が締切です(メールの場合)。あと1週間を切りました。さるねこ父が書いた記事をまとめておきます。

 

もともとさるねこ父が特に注意を払っていたのはVIです。今、現状として年間20万頭以上の犬猫が殺処分されているわけですが、どうして・どういう経緯をたどって、そういう現状が生じてきたのか、そのことがずっと気になっていました。歴史をきちんと踏まえなければ、先のことを見通して考えることはできないと思うので、そのつもりであと1週間でパブコメをまとめようと思っています。


さて、それにしても「先達はあらまほしきことなり」ということで、さるねこ父が目にしたかぎりで「わたしは、こういうパブコメを出します・出しました」というのを拾ってみました。

あとは地球生物会議 ALIVEさんも、昨年のパブコメに当たって文案を掲載されていましたが、代表の野上さんが先日亡くなられたことも関係しているのか、今のところ動きはないようです。全体として、あんまり多くないですね。意見を工夫する余地というか、自由度が低いこともあるんでしょうか。

パブコメ:VII その他

I 犬猫等販売業者関係」「II 販売に際しての情報提供の方法」「V 虐待を受けるおそれのある事態について」「VI 犬猫の引取りを拒否できる場合について」と見てきましたので、ここでちょっと一息入れます。

「VII その他」では、動愛法改正による用語変更に合わせて、施行規則等でもそれに揃えた用語変更を行なうことになっています。それが「動物取扱業」→「第一種動物取扱業」、「ねこ」→「猫」です。動物取扱業の方は当然の変更ですが、ねこの方はそもそもなんで変わったのか。

これは簡単で、1973年の動管法制定当時は、当用漢字表に載ってない漢字は基本的に法律条文に使えなかったから(のはず)です。「猫」という漢字は、1946年に告示された当用漢字表に載っていなかった。1981年に制定された常用漢字表で「猫」が他の94字とともに載ることになって、それからは使えることになりましたが、めんどくさかったのか、忘れてたのか、わかってたけどやらなかったのか、「ねこ」→「猫」の変更はずっと行なわれず、ようやく今回の改正で晴れて漢字で「猫」に変わった、ということ(のはず)です。

さて、さるねこ父はこの改正に反対です(と、ここで書いてもいまさら遅いですし、全然意味はないので、戯れ言です)。やっぱり「ねこ」はひらがなで書くべきだと思うからです。だって、ねこって「ね」という字が似合うじゃないですか。

K-r02838
ね?

K-r02841
ふみ:ふーん。
さるねこ父:ふみ、冷たい(T_T)。

パブコメ:VI 犬猫の引取りを拒否できる場合について

改正法第35条第1項但し書き(※)関連です。第35条は「犬猫の引取り」に関する項目で、今回の改正で付け加えられたこの但し書き部分は、動物愛護行政の歴史の上では実にエポック・メイキングなものになります。まず最初に、ここに至るまでの「犬猫の引取り」規定のおさらいを。

※)第35条第1項の「ただし~」以下の部分を指してこう呼びます。逆に「ただし~」より前の部分を「第35条第1項本文」と呼びます。法律独特の言い回しですね。


「動物の愛護及び管理に関する法律」(動愛法)は、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、もともと「動物の保護及び管理に関する法律」(動管法)として1973年10月1日に公布されました(施行は1974年4月1日)。そのときの条文数はわずか13、現行の動愛法の条文数が50、そして改正後は65に増えます(※)。

※)改正後も一番最後の条文は第50条で同じですが、途中に15個の条文が挟まれるように追加されています。たとえば第二種動物取扱業に関する第24条の2、第24条の3、第24条の4など。「第24条」と「第25条」の間に条文を挟み込むときはこういう表現をします。
 ちなみに、「第24条の2」と「第24条の3」の間に、さらに条文を挟み込むようなことになったときは「第24条の2の2」という表現になります。読みにくいことこの上ないですが、全部付け直してしまうと、この法律を参照している別の法令も全部書き換えないといけなくなってくるので、こうなってるみたいです。
 もう一つちなみに、「第24条第2項」と「第24条の2」は別のものです。前者は、第24条の中で入れ子になっている項を指し、後者は第24条とは別の条文を指します。改正後の動愛法にはどっちも存在します。第24条第2項は「前項の規定により立入検査をする職員は~提示しなければならない。」、第24条の2は「飼養施設(環境省令で定めるものに限る~七 その他環境省令で定める事項」の部分です。

 

1973年同時の動管法はこちらの記事で紹介していますが、その第7条が、現行および改正後の第35条の元になっています。3つを比べてみましょう。まず1973年の動管法制定時です。

【1973年制定時】

第七条 都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

3 都道府県知事は、市町村長(第一項の政令で定める市の長を除き、特別区の区長を含む。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。以下第六項及び第七項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。

5 都道府県等は、第一項の引取りに関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる。

6 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

7 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。

 

次に現行の動愛法=2005年改正後の第35条です。1973年と比べた変更点を背景色づけしています。ぱっと見ではけっこう変わっているように見えますが、水色は1994年の保健所法の地域保健法への改正時に「中核市」でも犬猫の引取りを行なえるようにした(いわゆる地方分権の推進)に伴う改正、緑色は1999年改正時に所管官庁が総理府(=内閣総理大臣)から新設の環境省(=環境大臣)に移ったのに伴う改正、黄色は1999年の地方分権一括法に伴う改正ピンク色は2005年改正時の変更点です。1973年から現在まで約40年間、実質的な部分は、実は何一つ変わっていなかったと言えます。

【現行=2005年改正後】

第三十五条 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

3 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市、中核市及び第一項の政令で定める市の長を除く。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。

【さるねこ父註:旧第7条第5項は削除され、旧第6・7項がひとつずつ繰り上がっています】

5 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

6 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。

 

40年前に、なぜこの「犬猫の引取り」が法律で定められたのかは、当時の官報をたぐってみるとその背景が見えてきます。詳しくはこちらの別記事をご覧いただくとして、犬猫の引取りに関わる部分だけ抜き出します。

[3] 犬及びねこに関する措置について

 犬やねこの飼主は、それらを飼養することができなくなったり、あまり繁殖して飼養が困難になった場合、往々にしてそれを安易に野に捨てる傾向にあるので、捨て犬及び捨てねこの発生防止と、その保護を図るために、都道府県等に犬やねこの引取りを義務づけ、犬やねこを捨てた者を処罰することとしています。また、犬又はねこの所有者は、動物がみだりに繁殖して適正な飼養が困難となることを防止するために、飼主は、できるだけ動物の生殖を不能にする手術を行うよう努めなければならない旨の所有者の責務を明確にしています。

身も蓋もない言い方をすれば、「野山に捨てられるよりは、行政が引取った方が、なんぼかまし」というのが、この条文の考え方です。「犬猫を管理する」という行政の立場から言えば、それは正しい。まず捕まえるところから始めなければならない「野犬・野猫」にする手前で、行政の窓口まで持って来させれば、管理の手間は一段省けます。けれども、犬猫の立場を代弁して言えば、「野山に捨てられればまだなんとか生きていくこともできるかもしれないけれども(※)、行政に引取られればまず9割方殺されるわけだから、なにが『動物愛護』だ、ふざけんな」ってことになるでしょう

※)もちろん実際は、野山に捨てられた犬猫も大半は生き抜くことはできません。人に飼われていた期間の長い元飼い犬・元飼い猫は、野山では生き抜けないし、生まれたばかりの子犬だけ・子猫だけを野山に放置すれば、他の動物(トビやカラスなどの鳥類を含む)の餌食になります。


さて、今回の改正ではこの第35条はどうなったかというと、ご存知の通り、「一定の条件を満たすことによって、引取りを拒否することができる」ようになりました。現行法から新たに追加された部分を緑字で示します。

【2012年改正後】

第三十五条 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。

2 前項本文の規定により都道府県等が犬又は猫を引き取る場合には、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又は猫を引き取るべき場所を指定することができる。

3 第一項本文及び前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

4 都道府県知事等は、第一項本文(前項において準用する場合を含む。次項、第七項及び第八項において同じ。)の規定により引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。

5 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市、中核市及び第一項の政令で定める市の長を除く。)に対し、第一項本文の規定による犬又は猫の引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

6 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及び猫の引取り又は譲渡しを委託することができる。

7 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項本文の規定により引き取る場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

8 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項本文の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。

「条件付きなど話にならない」「引取りなんて、日本からいっさいなくすべきだ!」と憤る方ももちろんいらっしゃると思いますし、その気持ちもわかりますけれども、さるねこ父は今回の改正は40年ぶりの大転換だと考えています。これから先、さらに条文を改正して、「一定の条件を満たした場合に限り、引取ることができる」という内容に変えていき、引取り頭数をぐっと減らすことで、引取った犬猫を「殺処分」ではない処分、つまり、イギリスなどに見られるような譲渡型シェルターでの保護へと導けるような筋道が見えてきた、と思うのです。

もしかするとそれは、まだあと40年かかるのかもしれないし、5年先、10年先といった近い将来なのかもしれない。それは、日本という国で暮らすわたしたちが、いかにして改正法第7条(動物の所有者又は占有者の責務等)の趣旨を体現できるかにかかっていると思います。

【改正後第7条】

第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。

3 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

4 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。

5 動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

6 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。

7 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。

緑字が今回新たに追加された項目です。(1)飼い主には「愛護と管理の責任」があること、(2)周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないように飼うこと、(3)逸走防止手段を講じること、(4)終生適正飼養を行なうこと、(5)繁殖制限を行なうこと。こんなあたりまえのことが、今ごろになって明文化される(※)というのもどうかしていますが、ともかくも、第一歩です。

※)正確には、「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」(昭和50年総理府告示第28号=1975年7月16日告示)や、それを改訂した「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号=2002年5月28日告示)のなかで、これらの項目は部分的には周知されていることになっています。が、これらはあくまで、法律の内容をを補うための告示としてなされたもので、法律本体で規定されたのは今回が初めてです。


ここまで前置きが長くなりました。パブコメについて検討してみます。改正法第35条第1項但し書きでは、まず「犬猫等販売業者から引取りを求められた場合」は引取りを拒否「することができる」とされています(※)。これは、今回のパブコメに関係なく、既に改正法に盛り込まれた規定事項(法定事項)です。

※)拒否「する」という断言ではありませんから、業者の犬猫を引取るケースは、今後とも「あり得る」話ではあります。残念ながら。

今回のパブコメで問われているのは、この法定事項のほかに、次の5つを改正法第7条第4項=終生飼養の原則に照らして「引取りの正当な理由と認められない=引取りを拒否することができる」ケースとして規定しますが、どうでしょうか? ということです。

  1. 繰り返し引取りを求められた場合
  2. 子犬や子猫の引取りを求められた場合であって、繁殖制限措置を講じる旨の指導に応じない場合
  3. 犬猫の高齢化・病気等の理由又は当該犬猫の飼養が困難であるとは認められない理由により引取りを求められた場合
  4. 引取りを求めるに当たって、あらかじめ新たな飼い主を探す取組をしていない場合
  5. その他法第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合

これらは基本的に(業者ではなく)個人の飼い主が想定されています。そして、これは大事な点ですが、これらの場合であっても「生活環境の保全上の支障を防止するため引取りが必要と判断される場合にあってはその限りでない」という但し書きが付きます。こいつはけっこう難物です。恣意的に運用すれば、どんな引取り拒否事由も無効にできるオールマイティーカードです。

そもそも、ここでパブコメの対象となっているのは、「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」という環境省令をめぐってです。これは、法律の運用にあたって支障が生じないように、わりかし細かい事例まで具体的に定めているのが特徴です(現行=2012年12月現在の=改正前の施行規則はこちら)。読むと眠くなれますが、「引取りを拒否できる5つのケース」がそれなりに具体的であるのに対して、この但し書きの方は、てんで曖昧です。細かい点を定めるはずの施行規則にはふさわしくないアバウトさです。

「生活環境の保全上の支障」というそのこと自体が何を指しているのか判然としない上に(およそ推測するに、周辺環境が悪臭や騒音その他で悪化しているケースでしょうが)、その「防止」のために引取り「」必要かどうか、もう少し踏み込んで言うと、それを「防止」するためには引取り以外の選択肢ではいかんともしがたいかどうかを、現場の行政職員が「判断」する/できる/しなければならないと、環境省のお役人は考えている節があります。ぶっちゃけ「現場に丸投げ」です。これには2つの問題があります。

ひとつは、役人性悪説に依るもので、「あれも、これも、セイカツカンキョウノホゼンジョウノシショウに当たるから、どんどん引取れ=どんどん殺処分だ」という恣意的もしくは機械的な運用をする現場担当者が出かねない、という点です。もう一つは、役人性善説、というとちょっとヘンですが、「殺処分は確かに減らしたい、でも、周辺環境の悪化にも確かに配慮しなければいけない、明確な基準がないから、ケースバイケースで、飼い主と周辺住民の双方(さらには殺処分ゼロを掲げたい環境省本省のお役人)から突き上げを喰らいながら、右往左往して神経をすり減らす」現場担当者が出かねない、という点です。

V(虐待を受けるおそれのある事態について)でも、「とにかく、指導に入るためには、だれにとっても明快で納得のゆく(虐待のおそれに相当する)基準を設けてほしい」という意見が現場の行政担当者からは上がっているのを紹介しましたが、このVI(犬猫の引取りを拒否できる場合について)はそれ以上にセンシティブな内容を含んでいます。行政が引取るかどうかで、その犬猫の命は9割方が決まります。また、行政が引取らないことによって、そのダメ飼い主がそこらに犬猫を捨てたりすれば、40年以上前の暗黒時代に逆戻りすることになります。そんなギリギリの綱渡りが要求される部分を「生活環境の保全上の支障を防止するため引取りが必要と判断される場合にあってはその限りでない」という一文で流してしまうのは、あまりにも適切を欠きます。


再び第34回動物愛護部会で配布された参考資料1を参照しましょう。20~32ページの13ページにわたって、現場の行政担当者のコメントがまとめられています。これを読まないでは始まらないのがこのVIですが、さるねこ父が「もっともだ」と思ったのは、特に次の2つです。

  • 仮に例示の事項をすべて拒否事由とすると、従来の引取例の多くがその対象となり、しかも「できる」規定のため、引き取るべきか否か、逐一、判断に迷う事態を招くとともに、外部からもその判断の是非を強く問われることにもなる。こうした事態を避けるため、裁量の余地を極力少なくするよう、本文とただし書きとの関係を整理し、より具体的に規定いただきたい。(逆に絶対的に引取りを拒めない事例を先に例示いただいた方が検討が進めやすくなるものと思われる。)
  • 法第35条の趣旨は、捨て犬・猫の防止であり、その受け皿がない現状で行政が引き取りを拒むことは不適当であると考えるが、今回の法改正により法第7条の終生飼養の徹底を促すのであれば、飼い主の死亡以外の全てが「飼い主の無責任」の結果であり、引き取りを拒否する理由になりうる。/国が法改正の趣旨を国民に浸透させるためには、「飼い主は自分の飼育する動物が飼養できなくなり、新たな飼養者を見つけることが困難な場合は、行政に処理を委ねるのではなく自分で安楽死を選択することも含めて責任を全うすべきである。」と強くうったえかけるべきである。/行政による殺処分ゼロを目指すのであれば、中途半端な引き取り拒否理由など示さず、国として明確な意思表示をすべきであると考える。

 

つまり、こういうことです。「終生飼養の原則を本気で謳うのであれば、飼い主からの引取りが唯一認められるのは飼い主の死亡であり、それ以外は飼い主自身による安楽死の選択という重い代償を支払わせるべきである(それが嫌なら、必死で新たな飼い主を探すべきだ)」。

今回の改正で一足飛びにそこまで至るのはおそらく困難でしょうけれども、道筋はそういうことになるのだろうと思います。「こういう場合は引取りを拒否できる」ではなく「こういう局限されたケースのみ引取りを行なう」という方向へ。その第一歩として、「こういう場合」をできるだけ丁寧に示すことが必要ですね。

動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(2012年)

平成18年環境省令第1号(2006年1月20日公布)の2012年12月5日現在の条文は以下の通りです。

※この省令は、制定後、次の3回改正されていますが、ここでは詳細は省きます。(1)平成19年環境省令第11号(2007年4月20日公布)、(2)平成24年環境省令第1号(2012年1月20日公布)、(3)平成24年環境省令第13号(2012年5月21日公布)。


動物の愛護及び管理に関する法律施行規則

(平成十八年一月二十日環境省令第一号)

 動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成十七年法律第六十八号)の施行に伴い、並びに動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の全部を改正する省令を次のように定める。

(用語)
第一条  この省令において使用する用語は、動物の愛護及び管理に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。

(登録の申請等)
第二条  法第十条第二項の動物取扱業の登録の申請は、様式第一による申請書を提出して行うものとする。
2  法第十条第二項の環境省令で定める書類は、次に掲げるものとする。
 一  法人にあっては、当該法人の登記事項証明書
 二  申請者(申請者が法人である場合にあっては、その法人及びその法人の役員)が法第十二条第一項第一号から第五号までに該当しないことを示す書類
 三  事業所ごとに置かれる動物取扱責任者が法第十二条第一項第一号から第五号までに該当しないことを示す書類
 四  次に掲げる設備等の配置を明らかにした飼養施設の平面図及び飼養施設の付近の見取図(飼養施設を設置し、又は設置しようとする者に限る。)
  イ ケージ等(動物の飼養又は保管のために使用するおり、かご、水槽等の設備をいう。以下同じ。)
  ロ 照明設備(営業時間が日中のみである等当該設備の必要のない飼養施設を除く。)
  ハ 給水設備
  ニ 排水設備
  ホ 洗浄設備(飼養施設、設備、動物等を洗浄するための洗浄槽等をいう。以下同じ。)
  ヘ 消毒設備(飼養施設、設備等を消毒するための消毒薬噴霧装置等をいう。以下同じ。)
  ト 汚物、残さ等の廃棄物の集積設備
  チ 動物の死体の一時保管場所
  リ 餌の保管設備
  ヌ 清掃設備
  ル 空調設備(屋外施設を除く。)
  ヲ 遮光のため又は風雨を遮るための設備(ケージ等がすべて屋内にある等当該設備の必要のない場合を除く。)
  ワ 訓練場(飼養施設において訓練を行う訓練業(動物の訓練を業として行うことをいう。)を営もうとする者に限る。)
3  都道府県知事は、申請者に対し、前項に規定するもののほか必要と認める書類の提出を求めることができる。
4  法第十条第二項第七号の環境省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
 一  営業の開始年月日
 二  法人にあっては、役員の氏名及び住所
 三  事業所及び飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有する事実
 四  事業所以外の場所において、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員の氏名
5  都道府県知事は、法第十条第一項の登録をしたときは、申請者に対し様式第二による登録証を交付しなければならない。
6  動物取扱業者は、登録証を亡失し、若しくはその登録証が滅失したとき又は法第十四条第二項の規定に基づく届出をしたときは、登録を受けた都道府県知事に申請をして、登録証の再交付を受けることができる。
7  前項の規定による登録証の再交付の申請は、様式第三による申請書を提出して行うものとする。
8  登録証の交付を受けた者は、その登録証を亡失したときは、書面をもって遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、第六項の申請をした場合は、この限りでない。
9  登録証を有している者(第二号に掲げる場合にあっては、相続人、消滅した法人を代表する役員であった者又は破産管財人若しくは清算人)は、次に掲げる場合は、その日(登録を受けた者が死亡した場合にあっては、その事実を知った日)から起算して三十日を経過する日までの間に、登録証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
 一  登録を取り消されたとき。
 二  法第十六条第一項各号のいずれかに該当するに至ったとき。
 三  第六項の規定により登録証の再交付を受けた後において、亡失した登録証を発見し、又は回復したとき。

(登録の基準)
第三条  法第十二条第一項の動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
 一  事業所及び飼養施設の建物並びにこれらに係る土地について、事業の実施に必要な権原を有していること。
 二  販売業(動物の販売を業として行うことをいう。以下同じ。)を営もうとする者及び貸出業(動物の貸出しを業として行うことをいう。以下同じ。)を営もうとする者にあっては、様式第一別記により事業の実施の方法を明らかにした書類の記載内容が、第八条第一号から第七号までに定める内容に適合していること。
 三  事業所ごとに、一名以上の常勤の職員が当該事業所に専属の動物取扱責任者として配置されていること。
 四  事業所ごとに、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員として、次に掲げる要件のいずれかに該当する者が配置されていること。
  イ 営もうとする動物取扱業の種別ごとに別表下欄に定める種別に係る半年間以上の実務経験があること。
  ロ 営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術について一年間以上教育する学校その他の教育機関を卒業していること。
  ハ 公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること。
 五  事業所以外の場所において、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員は、前号イからハまでに掲げる要件のいずれかに該当する者であること。
 六  事業の内容及び実施の方法にかんがみ事業に供する動物の適正な取扱いのために必要な飼養施設を有し、又は営業の開始までにこれを設置する見込みがあること。
2  法第十二条第一項の環境省令で定める飼養施設の構造、規模及び管理に関する基準は、次に掲げるものとする。
 一  飼養施設は、前条第二項第四号イからワまでに掲げる設備等を備えていること。
 二  ねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物が侵入するおそれがある場合にあっては、その侵入を防止できる構造であること。
 三  床、内壁、天井及び附属設備は、清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造であること。
 四  飼養又は保管をする動物の種類、習性、運動能力、数等に応じて、その逸走を防止することができる構造及び強度であること。
 五  飼養施設及びこれに備える設備等は、事業の実施に必要な規模であること。
 六  飼養施設は、動物の飼養又は保管に係る作業の実施に必要な空間を確保していること。
 七  飼養施設に備えるケージ等は、次に掲げるとおりであること。
  イ 耐水性がないため洗浄が容易でない等衛生管理上支障がある材質を用いていないこと。
  ロ 底面は、ふん尿等が漏えいしない構造であること。
  ハ 側面又は天井は、常時、通気が確保され、かつ、ケージ等の内部を外部から見通すことのできる構造であること。ただし、当該飼養又は保管に係る動物が傷病動物である等特別の事情がある場合には、この限りでない。
  ニ 飼養施設の床等に確実に固定する等、衝撃による転倒を防止するための措置が講じられていること。
  ホ 動物によって容易に損壊されない構造及び強度であること。
 八  構造及び規模が取り扱う動物の種類及び数にかんがみ著しく不適切なものでないこと。

(登録の更新)
第四条  法第十三条第一項の規定による登録の更新の申請は、当該登録の有効期間が満了する日の二月前から有効期間が満了する日までの間(以下この条において「更新期間」という。)に、様式第四による申請書を提出して行うものとする。
2  二以上の動物取扱業の登録を受けている者であって、当該二以上の登録のうち前項の規定により登録の更新を申請することができるもの(次項において「更新期間内登録」という。)の登録の更新を申請するものは、前項の規定にかかわらず、他の動物取扱業の登録に係る更新期間前の更新の申請を同時にすることができる。
3  都道府県知事は、前項の規定により更新期間前の登録の更新の申請があった場合には、当該登録の更新をすることができる。この場合において、更新期間前に登録の更新がされた動物取扱業の登録の有効期間は、更新期間内登録が更新された場合における当該更新期間内登録の有効期間の起算日から起算するものとする。
4  第二条第五項から第九項までの規定は、法第十三条第二項の登録の更新について準用する。

(変更の届出)
第五条  法第十四条第一項の届出は、法第十条第二項第四号に掲げる事項を変更しようとする場合にあっては様式第五による届出書を、飼養施設を設置しようとする場合にあっては様式第六による届出書を提出して行うものとする。
2  法第十四条第一項の環境省令で定める書類は、次の各号に掲げるものとする。
 一  販売業者(登録を受けて販売業を営む者をいう。以下同じ。)又は貸出業者(登録を受けて貸出業を営む者をいう。以下同じ。)が法第十条第二項第四号に掲げる事項を変更しようとする場合 様式第一別記により業務の実施の方法を明らかにした書類
 二  飼養施設を設置しようとする場合 第二条第二項第四号に規定する書類
3  法第十四条第二項の規定による届出は、様式第七による届出書を提出して行うものとする。
4  法第十四条第二項の環境省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。
 一  飼養施設の規模の増大であって、その増大に係る部分の床面積が、法第十条第一項の登録を受けたとき(法第十四条第一項又は第二項の規定による届出をしたときにあっては、その届出をしたとき。この号及び次号において同じ。)から通算して、法第十条第一項の登録を受けたときの延べ床面積の三十パーセント未満であるもの
 二  ケージ等、洗浄設備、消毒設備、汚物、残さ等の廃棄物の集積設備、動物の死体の一時保管場所、餌の保管設備、清掃設備、空調設備及び訓練場に係る変更であって、次に掲げる事項に係る部分の床面積が、法第十条第一項の登録を受けたときから通算して、当該設備等を備える飼養施設の延べ床面積の三十パーセント未満であるもの
  イ 設備等の増設
  ロ 設備等の配置の変更
 三  照明設備又は遮光のため若しくは風雨を遮るための設備の増設及び配置の変更
 四  第二条第二項第四号に掲げる設備等に係る変更であって、現在の設備等と同等以上の機能を有する設備等への改設であるもの
 五  飼養施設の管理の方法の変更
5  法第十四条第二項の環境省令で定める書類は、次に掲げるものとする。
 一  法人である場合であって、名称、住所又は代表者の氏名に変更があった場合 第二条第二項第一号に規定する書類
 二  法第十条第二項第三号に掲げる事項に変更があった場合 第二条第二項第三号に規定する書類
 三  法第十条第二項第六号イ又はロに掲げる事項に変更があった場合 第二条第二項第四号に規定する書類
 四  法人である場合であって、役員に変更があった場合 第二条第二項第二号に規定する書類
6  都道府県知事は、法第十四条第一項及び第二項に基づく変更の届出をした者に対し、前項の書類のほか必要と認める書類の提出を求めることができる。

(廃業等の届出)
第六条  法第十六条第一項の届出は、様式第八による届出書を提出して行うものとする。この場合において、有効期間内にある登録に係る登録証を有している場合は、これを添付しなければならない。
(標識の掲示)
第七条  法第十八条の標識の掲示は、様式第九により、次に掲げる事項を記載した標識を、事業所における顧客の出入口から見やすい位置に掲示する方法により行うものとする。ただし、事業所以外の場所で営業をする場合にあっては、併せて、様式第十により第一号から第五号までに掲げる事項を記載した識別章を、顧客と接するすべての職員について、その胸部等顧客から見やすい位置に掲示する方法により行うものとする。
 一  動物取扱業者の氏名(法人にあっては名称)
 二  事業所の名称及び所在地
 三  登録に係る動物取扱業の種別
 四  登録番号
 五  登録の年月日及び有効期間の末日
 六  動物取扱責任者の氏名

(遵守基準)
第八条  法第二十一条第一項の環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
 一  販売業者にあっては、離乳等を終えて、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになった動物(哺乳類に属する動物に限る。)を販売に供すること。
 二  販売業者及び貸出業者にあっては、飼養環境の変化及び輸送に対して十分な耐性が備わった動物を販売又は貸出しに供すること。
 三  販売業者及び貸出業者にあっては、二日間以上その状態(下痢、おう吐、四肢の麻痺等外形上明らかなものに限る。)を目視によって観察し、健康上の問題があることが認められなかった動物を販売又は貸出しに供すること。
 四  販売業者にあっては、販売をしようとする動物について、その生理、生態、習性等に合致した適正な飼養又は保管が行われるように、契約に当たって、あらかじめ、次に掲げる当該動物の特性及び状態に関する情報を顧客に対して文書(電磁的記録を含む。)を交付して説明するとともに、当該文書を受領したことについて顧客に署名等による確認を行わせること。ただし、動物取扱業者を相手方として販売をする場合にあっては、ロからヌまでに掲げる情報については、必要に応じて説明すれば足りるものとする。
  イ 品種等の名称
  ロ 性成熟時の標準体重、標準体長その他の体の大きさに係る情報
  ハ 平均寿命その他の飼養期間に係る情報
  ニ 飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模
  ホ 適切な給餌及び給水の方法
  ヘ 適切な運動及び休養の方法
  ト 主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法
  チ 不妊又は去勢の措置の方法及びその費用(哺乳類に属する動物に限る。)
  リ チに掲げるもののほかみだりな繁殖を制限するための措置(不妊若しくは去勢の措置を不可逆的な方法により実施している場合を除く。)
  ヌ 遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内容
  ル 性別の判定結果
  ヲ 生年月日(輸入等をされた動物であって、生年月日が明らかでない場合にあっては、推定される生年月日及び輸入年月日等)
  ワ 不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)
  カ 生産地等
  ヨ 所有者の氏名(自己の所有しない動物を販売しようとする場合に限る。)
  タ 当該動物の病歴、ワクチンの接種状況等
  レ 当該動物の親及び同腹子に係る遺伝性疾患の発生状況(哺乳類に属する動物に限り、かつ、関係者からの聴取り等によっても知ることが困難であるものを除く。)
  ソ イからレまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項
 五  販売業者にあっては、契約に当たって、飼養又は保管をしている間に疾病等の治療、ワクチンの接種等を行った動物について、獣医師が発行した疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書を顧客に交付すること。また、当該動物の仕入先から受け取った疾病等の治療、ワクチンの接種等に係る証明書がある場合には、これも併せて交付すること。
 六  貸出業者にあっては、貸出しをしようとする動物の生理、生態、習性等に合致した適正な飼養又は保管が行われるように、契約に当たって、あらかじめ、次に掲げるその動物の特性及び状態に関する情報を提供すること。
  イ 品種等の名称
  ロ 飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模
  ハ 適切な給餌及び給水の方法
  ニ 適切な運動及び休養の方法
  ホ 主な人と動物の共通感染症その他当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法
  ヘ 遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内容
  ト 性別の判定結果
  チ 不妊又は去勢の措置の実施状況(哺乳類に属する動物に限る。)
  リ 当該動物のワクチンの接種状況
  ヌ イからリまでに掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項
 七  第四号に掲げる販売に係る契約時の説明及び顧客による確認並びに第六号に掲げる貸出しに係る契約時の情報提供の実施状況について、様式第十一により記録した台帳を調製し、これを五年間保管すること。
 八  前各号に掲げるもののほか、動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目を遵守すること。

(動物取扱責任者の選任)
第九条  法第二十二条第一項の動物取扱責任者は、次の要件を満たす職員のうちから選任するものとする。
 一  第三条第一項第四号イからハまでに掲げる要件のいずれかに該当すること。
 二  事業所の動物取扱責任者以外のすべての職員に対し、動物取扱責任者研修において得た知識及び技術に関する指導を行う能力を有すること。

(動物取扱責任者研修)
第十条  都道府県知事は、動物取扱責任者研修を開催する場合には、あらかじめ、日時、場所等を登録している動物取扱業者に通知するものとする。
2  前項の規定による開催の通知を受けた動物取扱業者は、通知の内容を選任したすべての動物取扱責任者に対して遅滞なく連絡しなければならない。
3  動物取扱業者は、選任したすべての動物取扱責任者に、当該登録に係る都道府県知事の開催する動物取扱責任者研修を次に定めるところにより受けさせなければならない。ただし、都道府県知事が別に定める場合にあっては、当該都道府県知事が指定した他の都道府県知事が開催する動物取扱責任者研修を受けさせることをもってこれに代えることができる。
 一  一年に一回以上受けさせること。
 二  一回当たり三時間以上受けさせること。
 三  次に掲げる項目について受けさせること。
  イ 動物の愛護及び管理に関する法令(条例を含む。)
  ロ 飼養施設の管理に関する方法
  ハ 動物の管理に関する方法
  ニ イからハまでに掲げるもののほか、動物取扱業の業務の実施に関すること。

(動物取扱業に係る立入検査の身分証明書)
第十一条  法第二十四条第二項の証明書の様式は、様式第十二のとおりとする。

(周辺の生活環境が損なわれている事態)
第十二条  法第二十五条第一項の環境省令で定める事態は、次の各号のいずれかに該当するものが周辺地域の住民(以下「周辺住民」という。)の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ、当該支障が、複数の周辺住民からの都道府県知事に対する苦情の申出等により、周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる事態とする。
 一  動物の飼養又は保管に伴い頻繁に発生する動物の鳴き声その他の音
 二  動物の飼養又は保管に伴う飼料の残さ又は動物のふん尿その他の汚物の不適切な処理又は放置により発生する臭気
 三  動物の飼養施設の敷地外に飛散する動物の毛又は羽毛
 四  動物の飼養又は保管により発生する多数のねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物

(飼養又は保管の許可を要しない場合)
第十三条  法第二十六条第一項の環境省令で定める場合は、次に掲げるものとする。
 一  診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二項に規定する診療施設をいう。)において獣医師が診療のために特定動物の飼養又は保管をする場合
 二  非常災害に対する必要な応急措置としての行為に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 三  警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第二条第一項に規定する警察の責務として特定動物の飼養又は保管をする場合
 四  家畜防疫官が狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)第七条、家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)第四十条若しくは第四十五条又は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第五十五条に基づく動物検疫所の業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 五  検疫所職員が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第五十六条の二に基づく検疫所の業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 六  税関職員が関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第七十条に基づく税関の業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 七  地方公共団体の職員が法の規定に基づく業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 八  国又は地方公共団体の職員が絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)の規定に基づく業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 九  国又は地方公共団体の職員が鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)の規定に基づく業務に伴って特定動物の飼養又は保管をする場合
 十  法第二十六条第一項の許可を受けた者が、当該許可に係る都道府県知事が管轄する区域の外において、三日を超えない期間、当該許可に係る特定飼養施設により特定動物の飼養又は保管をする場合(当該飼養又は保管を行う場所を管轄する都道府県知事に、飼養又は保管を開始する三日(行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日の日数は、算入しない。)前までに様式第十三によりその旨を通知したものに限る。)
 十一  法第二十六条第一項の許可を受けた者が死亡し、又は解散に至った場合で、相続人又は破産管財人若しくは清算人が、死亡し、又は解散に至った日から六十日を超えない範囲内で、当該許可に係る特定動物の飼養又は保管をする場合
 十二  動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の際現に同法による改正前の動物の愛護及び管理に関する法律第十六条の規定に基づく条例の規定により届出をして法第二十六条第一項に規定する特定動物の飼養又は保管を行っている者が、改正法の施行の日から一年間(当該期間内に同項の許可に係る申請について不許可の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)引き続き当該特定動物の飼養又は保管をする場合(その者がその期間内に当該許可の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も同様とする。)

(許可の有効期間)
第十四条  法第二十六条第一項の許可の有効期間は、特定動物の種類に応じ、五年を超えない範囲内で都道府県知事が定めるものとする。

(飼養又は保管の許可の申請)
第十五条  法第二十六条第二項の許可の申請は、特定飼養施設の所在地ごとに様式第十四による申請書を提出して行うものとする。
2  法第二十六条第二項の環境省令で定める書類は、次に掲げるものとする。
 一  特定飼養施設の構造及び規模を示す図面、特定飼養施設の写真並びに特定飼養施設の付近の見取図
 二  申請者(申請者が法人である場合にあっては、その法人及びその法人の役員)が法第二十七条第一項第二号のイからハまでに該当しないことを説明する書類
 三  申請に係る特定動物に既に第二十条第三号に定める措置が講じられている場合にあっては、当該措置の内容ごとに次に定める書類
  イ マイクロチップ(国際標準化機構が定めた規格第一一七八四号及び第一一七八五号に適合するものに限る。以下同じ。)による場合 獣医師又は行政機関が発行した当該マイクロチップの識別番号に係る証明書
  ロ 脚環による場合(鳥綱に属する動物に限る。) 当該脚環の識別番号に係る証明書及び装着状況を撮影した写真
3  都道府県知事は、申請者に対し、前項に規定するもののほか必要と認める書類の提出を求めることができる。
4  法第二十六条第二項第七号の環境省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
 一  申請に係る特定動物の飼養又は保管を既に行っている場合における当該特定動物の数及び当該特定動物に係る第二十条第三号に規定する措置の内容に係る情報
 二  法人にあっては、役員の氏名及び住所
 三  特定動物の主な取扱者
5  都道府県知事は、法第二十六条第一項の許可をしたときは、申請者に対し様式第十五による許可証を交付しなければならない。
6  特定動物飼養者は、許可証を亡失し、若しくはその許可証が滅失したとき又は法第二十八条第三項の規定に基づく届出をしたときは、当該許可に係る都道府県知事に申請をして、許可証の再交付を受けることができる。
7  前項の規定による許可証の再交付の申請は、様式第十六による申請書を提出して行うものとする。
8  許可証の交付を受けた者は、その許可証を亡失したときは、書面をもって遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、第六項の申請をした場合は、この限りでない。
9  許可証を有している者(第二号に掲げる事由が発生した場合にあっては、相続人、消滅した法人を代表する役員であった者又は破産管財人若しくは清算人)は、次に掲げる事由が発生した場合は、その事由が発生した日(許可を受けた者が死亡した場合にあっては、その事実を知った日)から起算して六十日を経過する日までの間に、許可証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
 一  許可を取り消されたとき。
 二  許可を受けた者が死亡し、合併し、若しくは分割し(その許可を受けた者の地位が承継されなかった場合に限る。)、又は解散したとき。
 三  第六項の規定により許可証の再交付を受けた後において、亡失した許可証を発見し、又は回復したとき。

(飼養又は保管の廃止の届出)
第十六条  特定動物飼養者は、第十四条の許可の有効期間が満了する前に特定動物の飼養又は保管をやめたときは、様式第十七により、許可を受けた都道府県知事にその旨を届け出ることができる。この場合において、有効期間内にある許可に係る許可証を有している場合は、これを添付しなければならない。
2  前項の届出があった場合には、当該届出に係る許可は、都道府県知事が当該届出を受理した日に、その効力を失う。

(許可の基準)
第十七条  法第二十七条第一項第一号の環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
 一  特定飼養施設の構造及び規模が次のとおりであること。
  イ 特定動物の種類に応じ、その逸走を防止できる構造及び強度であること。
  ロ 申請に係る特定動物の取扱者以外の者が容易に当該特定動物に触れるおそれがない構造及び規模であること。ただし、動物の生態、生息環境等に関する情報の提供により、観覧者の動物に関する知識を深めることを目的として展示している特定動物であって、観覧者等の安全性が確保されているものとして都道府県知事が認めた場合にあってはこの限りでない。
  ハ イ及びロに定めるもののほか、特定動物の種類ごとに環境大臣が定める特定飼養施設の構造及び規模に関する基準の細目を満たしていること。ただし、動物の生態、生息環境等に関する情報の提供により、観覧者の動物に関する知識を深めることを目的として展示している特定動物であって、観覧者等の安全性が確保されているものとして都道府県知事が認めた場合にあってはこの限りでない。
 二  特定動物の飼養又は保管の方法が、人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止する上で不適当と認められないこと。

(変更の許可)
第十八条  法第二十八条第一項の変更の許可の申請は、様式第十八による申請書を都道府県知事に提出して行うものとする。
2  法第二十六条第二項第四号又は第五号に掲げる事項を変更しようとする場合にあっては、前項の申請書に、変更後の特定飼養施設の構造及び規模を示す図面、特定飼養施設の写真並びに特定飼養施設の付近の見取図を添付するものとする。
3  都道府県知事は、申請者に対し、前項に規定するもののほか必要と認める書類の提出を求めることができる。
4  第十五条第五項から第九項までの規定は、法第二十八条第一項の変更の許可について準用する。

(変更の届出)
第十九条  法第二十八条第三項の環境省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
 一  法人にあっては、役員の氏名及び住所
 二  特定動物の主な取扱者
2  法第二十八条第三項の届出は、様式第十九による届出書を提出して行うものとする。

(飼養又は保管の方法)
第二十条  法第三十一条の環境省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
 一  特定飼養施設の点検を定期的に行うこと。
 二  特定動物の飼養又は保管の状況を定期的に確認すること。
 三  特定動物の飼養又は保管を開始したときは、特定動物の種類ごとに、当該特定動物について、法第二十六条第一項の許可を受けていることを明らかにするためのマイクロチップ又は脚環の装着その他の環境大臣が定める措置を講じ、様式第二十により当該措置内容を都道府県知事に届け出ること(既に当該措置が講じられている場合を除く。)。ただし、改正法附則第五条第一項の規定により引き続き特定動物の飼養又は保管を行うことができる場合においては、同条第三項の規定にかかわらず、この限りでない。
 四  前各号に掲げるもののほか、環境大臣が定める飼養又は保管の方法によること。

(特定動物に係る立入検査の身分証明書)
第二十一条  法第三十三条第二項において準用する法第二十四条第二項の証明書の様式は、様式第二十一のとおりとする。

(申請書及び届出書の提出部数)
第二十二条  法及びこの省令の規定による申請又は届出は、申請書又は届出書の正本にその写し一通を添えてしなければならない。

附 則 抄
(施行期日)
第一条  この省令は、改正法の施行の日(平成十八年六月一日)から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
第二条  動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成十七年政令第三百九十号)附則第二条の規定による許可の申請及び許可については、この省令による改正後の動物の愛護及び管理に関する法律施行規則第十五条及び第十七条の規定の例による。
(法の経過措置が適用されない場合)
第三条  改正法附則第五条第二項の環境省令で定める場合は、改正法による改正後の法第二十六条第二項第二号又は第四号から第六号までに掲げる事項を変更する場合とする。

別表 (第三条第一項関係)

動物取扱業の種別 実務経験があることと認められる関連種別
販売(飼養施設を有して営むもの) 販売(飼養施設を有して営むものに限る。)及び貸出し
販売(飼養施設を有さずに営むもの) 販売及び貸出し
保管(飼養施設を有して営むもの) 販売(飼養施設を有して営むものに限る。)、保管(飼養施設を有して営むものに限る。)、貸出し、訓練(飼養施設を有して営むものに限る。)及び展示
保管(飼養施設を有さずに営むもの) 販売、保管、貸出し、訓練及び展示
貸出し 販売(飼養施設を有して営むものに限る。)及び貸出し
訓練(飼養施設を有して営むもの) 訓練(飼養施設を有して営むものに限る。)
訓練(飼養施設を有さずに営むもの) 訓練
展示 展示

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(2002年)

当時の「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)第5条第4項の規定に基づいて定められた「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号=2002年5月28日告示)です(官報(平成版)第3369号より)。その後2006年、2007年に一部改正されて、現在に至ります。


○ 環境省告示 第三十七号

 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第五条第四項の規定に基づき、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準を次のように定める。

 平成十四年五月二十八日

環境大臣 大木  浩

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

第1 一般原則

1 家庭動物等の所有者又は占有者(以下「所有者等」という。)は、命あるものである家庭動物等の適正な飼養及び保管に責任を負う者として、動物の生態、習性及び生理を理解し、愛情をもって家庭動物等を取り扱うとともに、その所有者は、家庭動物等を終生飼養するように努めること。

2 所有者等は、人と動物との共生に配慮しつつ、人の生命、身体又は財産を侵害し、及び生活環境を害することがないよう責任をもって飼養及び保管に努めること。

第2 定義

この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 (1) 動物 哺[ルビ:ほ]乳類、鳥類及び爬[ルビ:は]虫類に属する動物をいう。
 (2) 家庭動物等 愛がん動物又は伴侶動物(コンパニオンアニマル)として家庭等で飼養及び保管されている動物並びに情操の涵[ルビ:かん]養及び生態観察のため飼養及び保管されている動物をいう。
 (3) 管理者 情操の涵[ルビ:かん]養及び生態観察のため飼養及び保管されている動物並びにその飼養及び保管のための施設を管理する者をいう。

第3 飼養及び保管に当たっての配慮

1 家庭動物等を飼養しようとする者は、飼養に先立って、当該動物の生態、習性及び生理に関する知識の修得に努めるとともに、将来にわたる飼養の可能性について、住宅環境及び家族構成の変化も考慮に入れ、慎重に判断するなど、終生飼養の責務を果たす上で支障が生じないよう努めること。

2 特に、家畜化された動物ではない野生動物等については、一般にその飼養及び保管のためには当該動物の生態、習性及び生理に即した特別の飼養及び保管のための諸条件を整備し、及び維持する必要があること、譲渡が難しく飼養の中止が容易でないこと、人に危害を加えるおそれのある種が含まれていること等を、その飼養に先立ち慎重に検討すべきであること。さらに、こうした動物は、ひとたび逸走等により自然生態系に移入された場合には、生物多様性の保全上の問題が生じるおそれが大きいことから、飼養者の責任は重大であり、この点を十分自覚する必要があること。

第4 共通基準

1 所有の明示
 家庭動物等の所有者は、その責任の所在を明らかにし、逸走した家庭動物等の発見を容易にするため、名札、脚環、マイクロチップ等を装着するなど、動物の種類を考慮して、容易に脱落又は消失しない適切な方法により、その所有する家庭動物等が自己の所有であることを明らかにするための措置を講じるよう努めること。

2 健康及び安全の保持
 所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等に必要な運動、休息及び睡眠を確保し、並びにその健全な成長及び本来の習性の発現を図るように努めること。
 (1) 家庭動物等の種類、発育状況等に応じて適正に飼料及び水を給与すること。
 (2) 疾病及びけがの予防等の家庭動物等の日常の健康管理に努めるとともに、疾病にかかり、又は負傷した家庭動物等については、原則として獣医師により速やかに適切な措置が講ぜられるようにすること。
 (3) 所有者等は、適正な飼養及び保管に必要なときは、家庭動物等の種類、習性及び生理を考慮した飼養及び保管のための施設(以下「飼養施設」という。)を設けること。飼養施設の設置に当たっては、適切な日照、通風等の確保を図り、施設内における適切な温度や湿度の維持等適切な飼養環境を確保するとともに、適切な衛生状態の維持に配慮すること。

3 生活環境の保全
 (1) 所有者等は、自らが飼養及び保管する家庭動物等が公園、道路等公共の場所及び他人の土地、建物等を損壊し、又はふん尿その他の汚物、毛、羽毛等で汚すことのないように努めること。
 (2) 所有者等は、家庭動物等のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を行うとともに、飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生昆虫等の発生の防止を図り、周辺の生活環境の保全に努めること。

4 適正な飼養数
 所有者等は、その飼養及び保管する家庭動物等の数を、適切な飼養環境の確保、終生飼養の確保及び周辺の生活環境の保全に支障を生じさせないよう適切な管理が可能となる範囲内とするよう努めること。

5 繁殖制限
 所有者は、その飼養及び保管する家庭動物等が繁殖し、飼養数が増加しても、適切な飼養環境及び終生飼養の確保又は適切な譲渡が自らの責任において可能である場合を除き、原則としてその家庭動物等について去勢手術、不妊手術、雌雄の分別飼育等その繁殖を制限するための措置を講じること。

6 動物の輸送
 所有者等は、家庭動物等の輸送に当たっては、次の事項に留意し、動物の健康及び安全並びに動物による事故の防止に努めること。
 (1) 家庭動物等の疲労及び苦痛をできるだけ小さくするため、なるべく短い時間による輸送方法を選択するとともに、輸送時においては必要に応じ適切な休憩時間を確保すること。
 (2) 家庭動物等の種類、性別、性質等を考慮して、適切に区分して輸送する方法をとるとともに、輸送に用いる容器等は、動物の安全の確保及び動物の逸走を防止するために必要な規模及び構造のものを選定すること。
 (3) 輸送中の家庭動物等に適切な間隔で給餌及び給水するとともに、適切な温度、湿度等の管理、適切な換気の実施等に留意すること。

7 動物に起因する感染性の疾病に係る知識の修得等
 (1) 所有者等は、その所有し、又は占有する家庭動物等に起因する感染性の疾病について、動物販売業者が提供する情報その他の情報をもとに、獣医師等十分な知識を有する者の指導を得ることなどにより、正しい知識を持ち、その飼養及び保管に当たっては、感染の可能性に留意し、適度な接触にとどめるなど、自らの感染のみならず、他の者への感染の防止にも努めること。
 (2) 家庭動物等に接触し、又は家庭動物等の排泄物を処理したときは、手指等の洗浄を十分行い、必要に応じ消毒を行うこと。

8 逸走防止等
 所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等の逸走の防止のための措置を講ずるとともに、逸走した場合には、自らの責任において速やかに捜索し捕獲すること。
 (1) 飼養施設は、家庭動物等の逸走の防止に配慮した構造とすること。
 (2) 飼養施設の点検等、逸走の防止のための管理に努めること。

9 危害防止
 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等を飼養及び保管する場合には、次の事項に留意し、逸走の防止等、人身事故の防止に万全を期すこと。
 (1) 飼養施設は、動物が脱出できない構造とすること。
 (2) 飼養施設は、飼養に当たる者が、危険を伴うことなく作業ができる構造とすること。
 (3) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある動物の逸走時の措置についてあらかじめ対策を講じ、逸走時の事故の防止に努めること。
 (4) 所有者等は、飼養施設を常時点検し、必要な補修を行うとともに、施錠の確認をするなど逸走の防止のための管理に万全を期すこと。
 (5) 捕獲等のための機材を常備し、当該機材については常に使用可能な状態で整備しておくこと。
 (6) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等が飼養施設から逸走した場合には、速やかに関係機関への通報を行うとともに、近隣の住民に周知し、逸走した動物の捕獲等を行い、家庭動物等による事故の防止のため必要な措置を講ずること。

10 緊急時対策
 所有者等は、地震、火災等の非常災害に際してとるべき緊急措置を定めるとともに、移動用の容器、非常食の準備等、避難に必要な準備を行うよう努めること。非常災害が発生したときは、速やかに家庭動物等を保護し、及び家庭動物等による事故の防止に努めるとともに、避難する場合には、できるだけその家庭動物等の適切な避難場所の確保に努めること。

第5 犬の飼養及び保管に関する基準

1 犬の所有者等は、さく等で囲まれた自己の所有地、屋内その他の人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養及び保管する場合を除き、犬の放し飼いを行わないこと。

2 犬の所有者等は、犬をけい留する場合には、けい留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意すること。

3 犬の所有者等は、適当な時期に、飼養目的等に応じ、人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのないよう、適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者等の制止に従うよう訓練に努めること。

4 犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、次の事項を遵守するよう努めること。
 (1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
 (2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること。
 (3) 運動場所、時刻等に十分配慮すること。

5 犬の所有者は、やむを得ず犬を継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者に当該犬を譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合に限り、都道府県等(動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第18条第1項に規定する都道府県等をいう。以下同じ。)に引取りを求めること。

6 犬の所有者は、子犬の譲渡に当たっては、特別の場合を除き、離乳前に譲渡しないように努めるとともに、その社会化が十分に図られた後に譲渡するよう努めること。また、譲渡を受ける者に対し、社会化に関する情報を提供するよう努めること。

第6 ねこの飼養及び保管に関する基準

1 ねこの所有者等は、周辺環境に応じた適切な飼養及び保管を行うことにより人に迷惑を及ぼすことのないよう努めること。

2 ねこの所有者等は、疾病の感染防止、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持の観点から、屋内飼養に努めるものとし、屋内飼養以外の方法により飼養する場合にあっては、屋外での疾病の感染、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持に十分な配慮を行うこと。

3 ねこの所有者は、繁殖制限に係る共通基準によるほか、屋内飼養によらない場合にあっては、原則として、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を講じること。

4 ねこの所有者は、やむを得ずねこを継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者に当該ねこを譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合に限り、都道府県等に引取りを求めること。

5 ねこの所有者は、子ねこの譲渡に当たっては、特別の場合を除き、離乳前に譲渡しないように努めるとともに、その社会化が十分に図られた後に譲渡するよう努めること。また、譲渡を受ける者に対し、社会化に関する情報を提供するよう努めること。

第7 学校、福祉施設等における飼養及び保管

1 管理者は、動物の飼養及び保管が、獣医師等十分な知識と飼養経験を有する者の指導の下に行われるよう努め、本基準の各項に基づく適切な動物の飼養及び保管並びに動物による事故の防止に努めること。

2 管理者は、飼養及び保管する動物に対して飼養に当たる者以外の者からみだりに食物等を与えられ、又は動物が傷つけられ、若しくは苦しめられることがないよう、その予防のための措置を講じるよう努めること。

第8 その他

所有者等は、動物の逸走、放し飼い等により、野生動物の捕食、在来種の圧迫等の自然環境保全上の問題が生じ、人と動物との共生に支障が生じることがないよう十分な配慮を行うこと。

第9 準用

家庭動物等に該当しない犬又はねこについては、当該動物の飼養及び保管の目的に反しない限り、本基準を準用する。

犬及びねこの飼養及び保管に関する基準(1975年)

当時の「動物の保護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)第4条第2項の規定に基づいて定められた「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」(昭和50年総理府告示第28号=1975年7月16日告示)です(官報(昭和版)第14560号より)。今読んでみると、前時代的な表現が随所に見られますが、当時としてはせいいっぱいだったのでしょうかね。1-2を読むと、ちょっと怖くなります。

この基準は、動物の保護及び管理に関する法律(以下「法」という。)第7条第1項及び第2項の規定により引き取った犬及びねこ並びに第8条第2項の規定により収容した犬及びねこ、狂犬病予防法(昭和25年法律第247号)第6条第1項の規定により抑留した犬並びに教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する犬及びねこの所有者又は占有者については正当な理由がある場合には、その一部を適用しないことができること。

引取犬猫・抑留犬・動物実験犬猫は、例外ですよ、ってことですからね。今はこの基準は、「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号=2002年5月28日)に取って代わられています。


○総理府告示 第二十八号

 動物の保護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第四条第二項の規定に基づき、犬及びねこの飼養及び保管に関する基準を次のように定める。

 昭和五十年七月十六日

内閣総理大臣 三木 武夫

犬及びねこの飼養及び保管に関する基準

第1 一般原則

1 犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの本能、習性及び生理を理解し、家族同様の愛情をもって保護するとともに、人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止し、及び生活環境を害することがないよう責任をもつて飼養及び保管に努め、並びに犬又はねこの所有者は、犬又はねこを終生飼養するように努めること。

2 この基準は、動物の保護及び管理に関する法律(以下「法」という。)第7条第1項及び第2項の規定により引き取った犬及びねこ並びに第8条第2項の規定により収容した犬及びねこ、狂犬病予防法(昭和25年法律第247号)第6条第1項の規定により抑留した犬並びに教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する犬及びねこの所有者又は占有者については正当な理由がある場合には、その一部を適用しないことができること。

第2 健康及び安全の保持

1 給餌及び給水
 犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの種類、発育状況等に応じて適正に飼料及び水の給与を行うように努めること。

2 健康管理
 犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの外部寄生虫の防除、疾病の予防等健康管理に努めること。

3 運動
 犬の所有者又は占有者は、犬の種類、発育状況、健康状態等に応じて適正な運動をさせるように努めること。

4 保管施設
 犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの種類、習生及び飼養数、飼養目的等を考慮して犬又はねこを適正に保管し、必要に応じて保管施設(以下「施設」という。)を設けるように努めること。

第3 危害防止

1 放し飼い防止
 犬の所有者又は占有者は、犬の放し飼いをしないように努めること。

2 脱出防止
 犬の所有者又は占有者は、犬が施設から脱出しないよう必要な措置を講ずるように努めること。

3 けい留
 犬の所有者又は占有者は、犬をけい留する場合にはけい留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意すること。

4 しつけ及び訓練
 犬の所有者又は占有者は、適当な時期に飼養目的等に応じて適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者又は占有者の制止に従うよう訓練に努めること。

5 運動上の留意事項
 犬の所有者又は占有者は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、下記事項を遵守するように努めること。
  (1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
  (2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節に配慮すること。
  (3) 運動場所、時刻等に十分配慮すること。

第4 生活環境の保全

1 損壊等の防止
 犬又はねこの所有者又は占有者は、公園、道路等公共の場所及び他人の土地、建物等が犬若しくはねこにより損壊され、又は犬若しくはねこの汚物で汚されないように努めること。

2 悪臭等の発生防止
 犬又はねこの所有者又は占有者は、汚物及び排水の処理等施設を常に清潔にし、悪臭等の発生防止に努めること。

第5 その他

1 繁殖制限
 犬又はねこの繁殖を希望しない所有者は、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を行うように努めること。

2 譲渡又は引取り
  (1) 犬又はねこの所有者は、やむを得ず犬又はねこを継続して飼養することができなくなつた場合には、適正に飼養することのできる者に当該犬又はねこを譲渡するように努め、新たな飼養者を見出すことができないときは、都道府県知事(法第7条第1項に規定する政令で定める市の住民にあつては、当該市の長)に引取りを求めること。
  (2) 犬又はねこの所有者は、特別の場合を除き、離乳前の子犬又は子ねこを譲渡しないように努めること。

動物の保護と管理(官報資料版No.822より)

1974年3月13日発行『官報資料版』No.822は、「動物の保護と管理 ―人間と動物との豊かな環境づくり―」と題して、当時まもなく4月1日より施行されることになった「動物の保護及び管理に関する法律」についての説明が掲載されています。今から40年前の社会状況や、そもそものこの法律の立法趣旨など、今回関係法令を含めて改正作業が進んでいる「動物の愛護及び管理に関する法律」のパブリック・コメントを考える上でも重要な点が含まれていると思うので、ここに転載します。


動物の保護と管理

-人間と動物との豊かな環境づくり-

総  理  府

 昨年、第七十一回国会において成立した「動物の保護及び管理に関する法律」(昭和四十八年法律第百五号)が、本年四月一日から施行されることになっています。
 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱い、その他動物の保護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操のかん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的として制定されたものです。
 この法の目的を実現するには、先進諸外国の例からみても、また法の強制力をもってしても一朝一夕になし得ることではないと考えられます。私たちは法の精神を尊重し、その趣旨の普及について不断の努力をはらっていく心構えが必要だと考えます。

◇立法の背景と法の趣旨

 私たちは、犬やねこ、牛や馬などを、あるいはペットとして、あるいは食用として、ときには、医学上の実験のために人間の身代りにする等さまざまな動機や目的をもって動物を飼い生活に役立たせていますが、従来、我が国においては、動物の保護及び管理に関する統一的な立法措置がなかったことなどもあって、往々にして動物に対する適切な配慮を欠き、このため、動物に不必要な苦痛を与えたり、また、一方では、動物の保管に適正を欠くために、動物による人身事故等が多く生ずる実情にありました。
 これらの実情並びに諸外国でのこの種の法令の整備状況等にかんがみ、動物の保護及び管理について総合的、統一的な立法措置を講ずることの必要性が、関係者の間で強く提唱され、重要な社会問題とさえなっていました。この法律は、このような状況を背景として制定されたもので、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱い、その他動物の保護に関する事項を定めると同時に動物の管理に関する事項を定めて、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的としており、単に動物を愛護しようというだけでなく、人と動物の共存の道徳理想を築き上げようとしているところに大きな特色があります。

◇法律の内容のあらまし

[1] 法の目的と動物愛護週間の設置について

 この法律は、動物を愛護することは、根本において人類愛にも通じるものであるという理念に立って、動物の虐待防止とその適正な取扱いを定め、「国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操のかん養に資する」こととするとともに、動物の管理に関する事項を定めて「動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止する」ことをその目的とするものであることを明らかにしています。そして、動物の保護及び管理に関する基本原則として、動物を不必要な苦痛、殺傷、酷使から守るだけではなく、積極的に、その習性を考慮して適正に取扱うようにしなければならない旨を定めています。
 また、動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるために、毎年九月二十日から二十六日までを動物愛護週間と定め、この週間には、国及び地方公共団体は、関係団体等への指導、助言等によって、その趣旨にふさわしい行事が行われるよう努めなければならないとしています。この週間は従来民間団体において自主的に開催されていたものですが、これが法律をもって実施しなければならない行事とされたことに大きな意義があります。

[2] 動物の適正な飼養及び保管について

 動物の飼主等が、動物の飼養、保管に適正を欠くと、動物の健康や安全を害するばかりでなく、動物による人への危害を生じたり、人に迷惑を及ぼす原因ともなることがあるので、動物の飼主等は、動物を適正に飼養、保管するように努めなければならない旨を規定し、その具体的な基準は、内閣総理大臣が、動物保護審議会の調査検討の結果をまって定めなければならないことになっています。
 次に、地方公共団体にあっても、動物保護の見地と動物による人の生命等の被害防止の両面から条例の整備を図り、積極的に動物の飼養、保管について指導、助言し、人の生命等に害を加えるおそれのある動物の飼養制限等について、必要な措置をとることができることになっています。

[3] 犬及びねこに関する措置について

 犬やねこの飼主は、それらを飼養することができなくなったり、あまり繁殖して飼養が困難になった場合、往々にしてそれを安易に野に捨てる傾向にあるので、捨て犬及び捨てねこの発生防止と、その保護を図るために、都道府県等に犬やねこの引取りを義務づけ、犬やねこを捨てた者を処罰することとしています。また、犬又はねこの所有者は、動物がみだりに繁殖して適正な飼養が困難となることを防止するために、飼主は、できるだけ動物の生殖を不能にする手術を行うよう努めなければならない旨の所有者の責務を明確にしています。

[4] その他動物保護のための具体的措置について

 道路、公園等の公共の場所において負傷した犬、ねこ等(通常家畜とされるべき動物、その他一般に人々の間で親しまれている家畜、家きんの類)を発見した者は、すみやかに飼主に、飼主が判明しないときは都道府県知事等に通報しなければならない旨を定め、また、どうしても動物を殺さなければならない場合、例えば、有害動物の駆除、食用のためのと殺及び回復困難な傷病動物の処分や動物を試験研究等の科学上の利用に供するような場合は、できるだけ動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないとし、その具体的な基準等は、動物保護審議会の諮問を経て内閣総理大臣が定めることとなっています。

[5] 動物保護審議会の設置について

 この法律を施行するための具体的な基準や必要な措置については、内閣総理大臣が関係行政機関の長に協議し、かつ、動物保護審議会の諮問を経て決定することとなっています。
 この審議会は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する十五人以内の委員(その過半数は、動物に関する専門家が委員となる。)をもって組織され、内閣総理大臣の諮問に応ずるほか、動物の保護及び管理に関する重要事項を調査、審議し、意見を述べることができることとされています。
 この法律により、内閣総理大臣が定める基準等は次のとおりです。なお、審議会は法の施行と同時に発足することになっているので、これらの基準等は四月一日以降逐次決定されることになります。

  1. 動物の飼養及び保管に関する基準
  2. 犬及びねこの引取りを求められた場合の措置に関する必要な事項
  3. 公共の場所における犬、ねこ等の負傷動物等を収容する場合の措置に関する必要な事項
  4. 動物を殺す場合の方法に関する必要な事項
  5. 動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置に関する基準

[6]罰則について

 この法律で「保護動物」と定められた次の動物を、正当な理由がなく虐待し、又は遺棄した者には三万円以下の罰金又は科料が課せられることになっています。これは、法制定の趣旨にかんがみ、牛、馬、その他の動物を殴打し、酷使し、必要な飲食物を与えないなどの仕方で行う虐待や、犬、ねこ等のペットの無制限な繁殖の結果に伴って生ずる無分別な遺棄を防止する目的から定められたものです。
 なお、虐待及び遺棄に当たる事例および考え方は、従来の軽犯罪法及び刑法のそれに従うものであるとされています。
 また、次の「保護動物」は動物のうちでも特に人々の間で身近に親しまれているものを掲げたもので、このうち 1 は通常家畜とされるべき動物、2 は人の占有下に置かれているものを、1 と同様に保護しようという観点から定められたものです。

  1. 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
  2. 人が占有している哺乳類又は鳥類に属する動物

おわりに

 私たちは、この法律を単なる「生類哀れみの令」としてとらえることなく、無益の虐待から動物を救い、すすんでこれを保護しながら、人と動物が共存共栄する豊かな環境をつくりあげていくよう努めましょう。

【以上、『官報資料版』No.822=1974年3月13日発行】


さるねこ父が注目したいのは第3節の「犬及びねこに関する措置について」です。これは結局犬猫の引取りを行なう(行なわざるを得ない)社会的理由とそれへの対策について述べているわけですが、「飼い主が飼えなくなった犬猫、繁殖制限をしなかったために増やしすぎてしまった犬猫」を「往々にして安易に野に捨てる」傾向にあった点=社会的理由をまず指摘しています。

そして、それへの対応策として、つまり「捨て犬及び捨てねこの発生防止」とそれらの「保護」を図るために行政に犬猫の引取りを義務づけたのが、ピーク時の1985年度には806,018匹を数えるに至る、行政による引取り収容の始まりです。放置すればそれらの大部分は「野に捨てられた」ものを、行政が集めて「保護」したことは、それなりに社会的意義は大きかったと推測されます。「犬猫は、野山に捨てるものではなく、保健所に引取ってもらうものだ」という意識は浸透し、犬猫(特に犬)がひとの管理を離れることは少なくなったと言えます。ただし「保護」とは名ばかりで、実際はその大多数(たとえば1985年度であれば94.6%)が「殺処分」されていたのは、制度の最大の矛盾点ですけれども。

注目すべき点はそうした「矛盾だらけの保護」と同時に、いわば車の両輪として定められていたはずの「犬やねこを捨てた者を処罰する」規定(第13条)がまったく空文であった点です。犬猫を引取る方だけは着実に実行されて、捨てた人間を処罰する方はまったくと言っていいほど実行されなかった。さらに、第9条に掲げられた「飼い主による繁殖制限」の方も、努力義務に留められて、実効性を十分持たなかった。結果として「捨て先が、野山ではなく、保健所・動物管理/愛護センターに変わっただけ」のことで、それが今わたしたちが目の前にしている現実です。


冷静に考えれば、第一に責められるべきは、殺処分を粛々と実行し続ける行政ではありません。そうした行政に一切責任がないと言うつもりはないですが、問題の一番本質的な部分を握っているのは、いまだに野山に捨てるのと同じ感覚で保健所・動物管理/愛護センターに持ち込む飼い主であり、本来飼い主の義務(あくまで努力義務ですが)である繁殖制限を行なわない飼い主です。

40年前の動管法の制定の趣旨は、そうした飼い主を(罰則規定をちらつかせながら)なくしてゆくことだったはずです。今回の改正で「引取り拒否」が条件付きながら可能になったことは、長い回り道の末に、ようやく本来の道のりを歩き出した、そんなふうに考えることもできると思います。