前回の記事で「その2では、収容・引取り・処分・譲渡についてまとめてみます」と書いたのですが、いざまとめようとしてみると、うまくまとまらないことに気づきました。統計の取り方や区分がころころ変わるのですが、それを含めて、ちょっと細かく見ていこうと思います。
まず、一番古い1990~94年のデータが載っている平成6年度版の「傷病犬猫の収容及び引き取り」です。(もともとは1a/1b/2a/2b/4a/4b/5a/5b/6のみが掲出されており、またその番号は元資料にはついていません。7a/7bは別掲数値を再掲、3a/3b/7c/8a/8b/8cはさるねこ父で独自に計算しています。)
5. 犬猫の収容及び引き取り | |||||
項目 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 |
---|---|---|---|---|---|
1a.不用犬猫箱による引取数(犬) | 1,277 | 1,064 | 124 | 113 | 119 |
1b.不用犬猫箱による引取数(猫) | 6,186 | 5,693 | 523 | 430 | 396 |
2a.センター引取数(犬) | 107 | 174 | 858 | 776 | 789 |
2b.センター引取数(猫) | 29 | 384 | 5,010 | 4,427 | 4,071 |
3a.箱回収+センター引取数(犬) | 1,384 | 1,238 | 982 | 889 | 908 |
3b.箱回収+センター引取数(猫) | 6,215 | 6,077 | 5,533 | 4,857 | 4,467 |
4a.一般譲渡数(犬) | 152 | 141 | 76 | 96 | 144 |
4b.一般譲渡数(猫) | 42 | 46 | 17 | 34 | 31 |
5a.学術研究用譲渡数(犬) | 139 | 133 | 118 | 66 | 41 |
5b.学術研究用譲渡数(猫) | 84 | - | 31 | 30 | - |
6.安楽処分数 | 7,669 | 7,466 | 6,738 | 5,999 | 5,616 |
7a.捕獲犬数 | 560 | 513 | 540 | 538 | 514 |
7b.返還犬数 | 73 | 42 | 75 | 59 | 57 |
7c.推定捕獲犬処分数(7a-7b) | 487 | 471 | 465 | 479 | 457 |
8a.推定殺処分数(犬/捕獲犬含む) (3a-4a-5a+7c) | 1,580 | 1,435 | 1,253 | 1,206 | 1,180 |
8b.推定殺処分数(猫) (3b-4b-5b) | 6,089 | 6,031 | 5,485 | 4,793 | 4,436 |
※不用犬・猫の引き取りは当センター(平日受付)及び市内12支所に設置した不用犬猫箱(月1回回収)で行う。
※安楽処分数には捕獲犬のうち返還されなかったものを含む。
「不用犬猫箱」「学術研究用譲渡数」という表現には軽くめまいを覚えますが、1994年、つまり18年前の長崎市では、ごくあたりまえのように、なんのためらいもなく、これらが社会に存在を許されていたということになります。
1991年度までは、動物管理センターでの引取数はごくわずかで、ほとんどが月1回の「不用犬猫箱」によるものだったということは、「要らなくなったいぬ・ねこは粗大ごみ同様」の感覚だったということです。たった20年前の話です。1992年度に切り替えがあって、不用犬猫箱回収による引き取りは1割台に減り、センター窓口での引き取りが主となったことが、この資料からわかります。
また、学術研究用譲渡とは、動物実験への使用とほぼ同義と考えられますが、一般譲渡と学術研究用譲渡の頭数比率は、年度に依りますが、この時期でならしてみるとほぼ半々だった、というのもショッキングなことです。その後のデータをみると、学術研究用の猫の譲渡はこの表内の1993年度が最後、学術研究用の犬の譲渡はその後も続いて2002年度が最後です。
次回その2Bでは、ここから少し時系列的に降っていってみたいと思います。
No response to “長崎市動物管理関連統計(1990~2011年)-その2A”
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