珍しく新聞記事など紹介してみたいと思います。大分合同新聞のウェブサイト2012年10月20日のニュースになります。
月1回子猫の譲渡会 殺処分減へスクラム
殺処分数がなかなか減らない猫の対策として、県は23日から月1回、子猫の譲渡会を始める。県獣医師会は、譲渡された犬と猫の不妊手術を安く実施しサポート。譲渡する人には講習会の受講を義務付ける。県などはすでに犬の譲渡会は実施しているが、行政、獣医師、動物愛護ボランティアが協力した積極的な猫への取り組みは全国的にも珍しいという。
犬と違って登録制度などの法整備がない猫は、屋外での放し飼いや野良猫への無責任なエサやり、繁殖力の強さなどから次々と増え、地域のトラブルの元となっている。県に寄せられた苦情は2011年度は3千件を超え、殺処分数は2368件。犬の殺処分数は同年度753件で年々減少傾向にあるものの、猫は微増傾向。
子猫(生後約2カ月~半年)の譲渡会は毎月第3火曜日に大分市小野鶴の県動物管理所で開催。適正な飼育方法を学ぶ事前講習の受講、室内飼育、家族全員の賛同などの要件を満たした人に譲る。併せて、月2回の子犬の譲渡会でも事前講習の受講を義務化。管理所内には譲渡する猫のための専用施設を新設した。
県獣医師会は県内48カ所の動物病院で、譲渡された猫、犬に限り、譲渡日から6カ月以内であれば、通常数万円の避妊、去勢手術を一律5千円で実施。健康チェックやしつけ講習なども実施し、手厚くフォロー。動物愛護推進員らボランティアは引き続き譲渡会や講習会の支援、啓発活動などに力を入れる。
県は、17年度までに犬、猫の殺処分数を計2600匹まで減らすことを目標としている。譲渡会のほか、猫対策のための協議会を立ち上げ、先進地を参考にしながら地域で猫と共生するモデル地区づくりなどにも取り組む。
県獣医師会の麻生哲会長は「殺処分数を減らすとともに、飼い主のマナーアップにもつなげたい」と話している。問い合わせは県食品安全・衛生課(TEL097-506-3054)へ。
大分県食品安全・衛生課の方でもお知らせが出ています。
行政が主催で譲渡会を開く場合、どうしても平日開催になります。この大分県の子ねこ譲渡会は火曜日ですし、東京都区部(本所)では木曜日です。行政職員の勤務日程を考えると、土日に開催するのは、代休を確保しなければならないため、どうしても難しい。譲渡希望者への譲渡前講習会も合わせて開催することを考えると、なおさらそうなります。
一方、ボランティア主催の譲渡会は、ほとんどが土日開催です。多くのボランティアさんは平日は仕事を持っていたりしますし、集客面を考えても土日に開く方がいいです。
行政とボランティア(あるいは獣医師会)が連携して、殺処分数を減らしていくために譲渡会を開催するのが望ましいのはもちろんですし、先月改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」第35条第4項では、行政に対して「殺処分がなくなることを⽬指して……中略……所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの⼜は所有者の発⾒ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする」と新たに規定されるようになりました。が、この平日開催と土日開催のギャップを埋める方策を考えていかないと、どうしても行政とボランティアの連携は限定的になります。
長崎市では、行政=動物管理センター主催の譲渡会は、年3回しか開かれていません。7・8・10月の第3日曜です。「年3回しか」になってしまう最大の理由は、日曜開催だからです。このときは職員総出になりますので、その前後に少しずつみんなでずらして代休を取る形になります。そうなると、平日の日常業務への差し障りがまったく出ないというわけにはいかなくなる。
殺処分ではなく譲渡、という流れ自体はまことにけっこうなのですが、それを支えるマンパワーはおそらくどこの自治体も十分ではない。もちろん、ボランティアの側も年がら年中人手は足りない。協力し合えれば少しはそれを補えそうなのだけれども、なかなかその実現は一筋縄ではいかないな、と思います。
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