長崎県動物管理統計(2) - 猫編

(1) - 犬編から続きます。

(5) 引取猫頭数……保健所に持ち込まれた猫の頭数です。2006年度から2011年度の5年間でほぼ半減しており、特に県央・佐世保の減少率が目立ちます。対馬は増えていますが、そもそも頭数が少ないので増減率はあまり意味がないかもしれません。2010年度から、長崎県内全域で犬猫(飼い主のいるもの)の引取りが有料化(成体1匹2,000円、幼体10匹ごとに2,000円)されたことも、頭数が減少したひとつの要因だと思われます。

引取猫頭数

 

(6) 譲渡猫頭数……保健所から譲渡された猫の頭数です。まあ、悲しくなるくらい上の持ち込み数に比べると少ないです。なお、2006年度の統計には、明確に「譲渡数」の記載がありませんので、「持ち込み数」から「殺処分数」を引いた値を推定値として掲げています。そもそも2006年度推定値にはほとんどの地区で0が並びます(五島の2匹も譲渡として推定してよいかどうか不明)から、項目自体が立たなかったのも無理はないですね。毎年の数が一桁二桁で年度による変動も大きいので、2006~11年度の6年間の合計(推定値含む)も添えておきます。

譲渡猫頭数

 

(7) 全収容猫返還・譲渡率……犬に比べると軒並み1ケタ小さくなります。2006年度に「再び外に出られた」猫は200匹に1匹、2011年度になっても40匹に1匹です。せめて犬並みの返還譲渡率まで上げるには、譲渡を1ケタ増やすか、持ち込みを1ケタ減らすか、どちらかになりますが、さるねこ父は(以前から書いているように)後者が重要だと考えています。

全収容猫返還・譲渡率

 

(8) 保健所管内人口……年度中央の10月1日現在の推計人口を計算してみました。なお、2010年3月31日に、県北保健所管内の江迎町・鹿町町が佐世保市に合併して佐世保保健所管内に移っています。江迎町・鹿町町の人口は、2006年では県北に、2011年では佐世保に含めています。

保健所管内人口

 

(9) 人口千人あたりの犬猫全処分数……負傷収容分や収容中死亡も含めた全ての「出られなかった犬猫の数」を人口1,000人あたりで計算しています。県央と佐世保でめざましく数値が下がり、その分県南の数値が目立つようになっています。長崎(市)はこうしてみるとまだまだ下げられる余地があるはずですし、その鍵は動物管理センターに持ち込まれる子猫の数を減らすことに尽きると思います。

千人あたり全処分数


ちなみに、この2011年の長崎県の人口千人あたり全処分数「4.48」というのは、おそらく全国ワースト3に入っているはずです。まだ環境省の方に2011年度分のデータが上がっていないので、2010年度分の値を下にまとめてみましたが、このときはワースト3です。

1 高知県 6.92
2 沖縄県 5.85
3 長崎県 5.13
4 徳島県 4.51
5 香川県 4.23
6 愛媛県 4.18
7 山口県 4.02
8 和歌山県 3.66
9 島根県 3.56
10 佐賀県 3.44
11 広島県 3.28
12 宮崎県 3.04
13 大分県 3.00
14 鹿児島県 2.79
15 熊本県 2.73
16 鳥取県 2.72
17 福島県 2.57
18 青森県 2.42
19 宮城県 2.38
20 山形県 2.34
21 三重県 2.34
22 茨城県 2.21
23 岡山県 2.15
24 山梨県 2.05
25 群馬県 1.99
26 岩手県 1.81
27 奈良県 1.76
28 福岡県 1.76
29 福井県 1.69
30 静岡県 1.65
31 京都府 1.64
32 栃木県 1.62
33 兵庫県 1.59
34 滋賀県 1.50
35 岐阜県 1.49
36 石川県 1.35
37 愛知県 1.34
38 千葉県 1.34
39 秋田県 1.33
40 北海道 1.29
41 大阪府 1.16
42 長野県 1.14
43 富山県 1.06
44 新潟県 1.01
45 埼玉県 0.77
46 神奈川県 0.43
47 東京都 0.20

まだまだ先は長いですね。

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